「目が小さく映る」を目立たせなくするには?
「薄いレンズ」を求める本音
レンズは薄い方が見栄えもいいですし、眼鏡そのもののから度数の強さを感じさせない仕上がりになるでしょう。
だからなるべくレンズが薄くなりように工夫する・・・・。
しかし、本当に求めているのはレンズが薄く見える眼鏡なのでしょうか?
レンズがはみ出してさえいなければ満足に繋がるのでしょうか?
誰かが掛けているメガネのレンズの厚みが例えば1mmはみ出していたとして、そこに注目する事ってあるでしょうか?
近視がある程度強いと起きる事を整理すると
- レンズが厚くなる
- 眼鏡が重くなる
- 目が小さく映る
- 輪郭線が凹む
と言ったところです。
1は眼鏡をまじまじと眺めて感じる事。
2はかけ心地に影響しますね
3と4は見られ方の違和感です。
お強めの近視の方、特に女性が最も気にするのは3、4。
つまり、鏡を見た時に感じる素顔との違いがお悩みの本質であると思います。
「なるべくレンズを薄くしたい」という心理の裏には「薄いレンズにすると目も小さくなりにくく、輪郭線の凹みも抑えられる」という事が隠れているのでないでしょうか?
だから例えば太いフレームを使ってレンズの厚みを隠したり、出っ張っているレンズを斜めに削り落として、メガネの見た目が薄く仕上がって「見てください!こんなに薄く仕上がりました!」と言っても、眼鏡を掛けて鏡をみたら「ああ、いつもの違和感がある・・・」とガッカリしてしまう・・・
眼鏡の薄さとかけた時の満足感はどうもリンクしていないように感じます。
本当のお悩み「目が小さく映る」と「輪郭線が凹む」を完全解決は無理として、それをできるだけ軽減させるにはどうすればいいか?を考えたアドバイスが私たちには求められているとプラオプ は思っております。
どれくらい目の大きさが変化するか?
度数と掛ける位置(目とレンズの間の距離)が分かると、どれくらい目の大きさが変化するのか?を、おおよそですが計算で求める事ができます。
見かけの大きさの変化=1÷(1-目とレンズの間の距離x度数)
という式がわかりました。
大事な要素は結局「度数」と「目とレンズの間の距離」で、確かにレンズの厚みも影響がありますが、どんなに高価なレンズを使っても厚みを無くす事はできません。厚みの影響は実は劇的な変化をもたらしません。
そもそも眼鏡は「見えるようにする」道具です。この目的を果たすためには見栄えを優先して度数を弱める事もできません。
だとしたらやれる事は「フレームの選択」と「かけ具合の調整」です。
上の計算の結果からすると「-8.00」という度数の場合、標準的な目とレンズの間の距離「12mm」だと目の大きさが約91%まで小さく映ります。
ところがそれを「8mm」まで近づけると約94%まで抑える事ができます。
しかも、目に近づけた分だけ度数は目に対して強く作用してしまうので、その分度数を弱める事ができます(理論的に出る視力は一緒です)から、なおさら変化を小さくする事ができそうです。
では「フレームの選び方でどれくらい違うのか?」
さっきの計算を元に「-10.00」の度数を掛けた場合、フレームの選び方でどれくらい違うのか?を合成写真を作って検証してみます。
フレームの選び方でこれだけ違う
まずは何も掛けていない時。
厚みを隠すには有利と言われる「セルフレーム」で少し大きめを掛けるとこうなります。これはまだ度が入っていない状態です。
-10.00ですと、目とレンズの間の距離が12mmだとして目が約89%の大きさに映るようです。
それを合成するとこうです。
フレームを選ぶときは上の写真のように映るのですが、仕上がると下の写真のように変化します。
目が小さくなり、輪郭のズレがフレームに入っています。
ではフレームのデザインを変えるとどうか?
これは合成前です。なんだか目が大きく見えますね・・・
そして次が合成後。
目の大きさが逆にちょうど良くなっていないか?
輪郭線もレンズの中に入ってきていません。
素顔と比較してみましょう。
こう見ると確かに目は小さく映っています。
では、最初のフレームと比べてみましょう。
左のようには広い面積の中で目が小さくなると、それをより分かりやすくしてしまいますが、右は目の周りにしっかりとしたラインがある事と、フレームのラインが目に近い事で目が小さく映る事をあまり感じさせません。
さらに目に近づけるようなフィッティングを行えばなおさらその印象は変わるでしょう。
さらにレンズの面積が小さいと言う事は結果として「レンズが薄く」なります。
つまり「眼鏡単体で眺めても綺麗に仕上がって見える」と言う事が後からついてくるわけです。ついでに軽くなります。
もちろん嫌いなデザインの物を無理にお勧めする事は致しません。
でも、何を最優先に考えるか?本当は何を求めているのか?だと思います。
そして仕上がった時の未来を考えて提案するにしても、「これしかないの??」と思わせない、多種多様なメガネを用意することがプラオプ には求められていると思ってブランドやモデルをチョイスしているつもりです。
流行りのオーバーサイズはあまり得意じゃありませんが、「メガネのお困り専門店」としてのラインナップには拘っております。