視覚とラジコン②
こんばんは! プラオプ ハセガワです。
視覚とラジコン②
前回はスポーツビジョンと動体視力って何か?というお話をサラッとですがいたしました。
今回からはスポーツビジョンに則ってラジコン競技と視覚機能の関係を自分の体験した感覚で書いていこうと思います。
何が見えていないといけないのか?
最速を目指すには、コースの中で最も速く走れる一本の線、ラインに乗せ続けなければなりません。
そのラインを全速力で走りたいわけですが、物理に支配されているので速度過剰であれば曲がりきれずにラインに乗せることができませんから、適切な減速と適切な加速、適切なハンドル操作をして効率のよい操縦を繰り返す必要があります。
でも、車をポンと置いたらいつでも同じように走るわけではなく、路面温度や湿度に応じてタイヤを選んで適切なグリップを確保し、完璧に整備された上で色々な部分を調節しなければよくは走ってくれません。
例えばハンドルを切った量に対して車が外側に逃げていくアンダーステア、逆にお尻が外に逃げていって向きが変わりすぎてしまうのがオーバーステア。それが強すぎれば操縦もままなりません。
それが減速して曲がり始める時なのか旋回中なのか、加速する時なのか。
原因が単にグリップ力が足りないのか?逆にグリップ力が高すぎて遠心力に負けて車が浮き上っているのか?前後のバランスが悪いのか?
実際に走ってそれを操縦台から見て、問題点を把握し車の調整(セッティング)や操縦法の修正を繰り返すわけです。
アクセルを入れるとお尻が滑って車が横を向く事を「立ち巻き」なんて言うんですが、機敏なラジコンカーは立ち巻きが起きたのを見てから修正していたら遅すぎます。
コースの端のパイロンを踏んだらポンと車が跳ねてラインを外したら修正しなければなりませんが、レーズ中に減速はしたくありません。
つまり、車がどこにいるのかが見えるだけではダメで、操縦にしろ調整(セッティング)にしろ車の挙動がしっかり見えていないといけないわけですが、操縦台に立つと目の高さは地上3.5m〜5m以上。
先日行われた全日本選手権の会場「つくばRCアリーナ」だと(見た感じで)操縦台からコースの端まで20m以上(もっとあるか?)と結構な距離から観察して判断するわけです。
練習を繰り返す事で、条件反射的にアクセルを戻したりハンドルを逆に切ったりなんてことが身に付いたとしても、そのきっかけは目で見た情報がたよりです。
ですから出来るだけハッキリと見えている、つまり高い視力があった方が有利でしょう。
普通のテレビで見た映像では見えなかったものが4Kだとみえちゃう。そんな感じですかね。
静止視力と動体視力
静止視力とはいわゆる視力検査で測る視力。
動体視力とは視力標が動いている、あるいは自分が動いている状態で測る視力。
もし完璧に動いているものを視界の中心に捉え続けることができていたとしても、静止視力以上にハッキリと見ることは当然できません。
静止視力は基本的にトレーニングなどで鍛えることはできません。しかも静止視力がただ高ければいいわけではなく無調節状態でなければいけません。
「無調節状態」?・・・というのはハッキリと遠くを見るときにピントを合わせる為に余計な力を使っていない状態と言う意味。
「遠視」という目の状態がありまして、その場合、視力測定では高い値を示すので一見すると「目がいい」と言われがちですが、決して良い状態とは言えません。
その辺の事は「遠視について」のページを見ていただくとして・・・
要するに目がなるべくリラックスしたままハッキリと見えている状態がベストと言うわけですが、そのような状態を作るためには眼鏡やコンタクトレンズの度数を適切に合わせることが現実的です。
で、そのハッキリ見る状態を動いているものに合わせ続けることができれば動体視力も高い値を示すでしょう。
つまり、高い動体視力にはまず「高い静止視力」と、動いているものを「視界の中心に捉え続けることができる能力」の両方が必要なわけです。
結構なスピードで走っている車の一瞬の動きを感じ取るには「高い動体視力」が必要ということですが、静止視力は確保できるとして動いているものを視界の中心に捉え続けるためにはどうしたらいいのか?どんな能力が必要なのか?
次回はその辺を書こうと思います。
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