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視覚とラジコン④

さて、前回は両眼で目標を捉えるために必要な「両眼視」についてのお話でした。

視覚とラジコン③

今回は動いているものを「捉え続ける」事についてのお話です。

眼球運動

動いている物を視界の中心に据え続けるためには、目が目標の動きに合わせて正確に動かなければなりません。
そういった目の動きのことを「眼球運動」というのですが、左右、上下、斜め、そして前後(寄り目、離し目)と全ての方向に正確でスムーズに動く必要があります。

眼球運動にもいろいろな種類があるので説明しましょう。

よせ運動

こちらに向かって来るものに対して視線を合わせ続けるためには、両目が距離に応じて寄り目になっていく動きが必要です。
真っ直ぐ遠く、例えば空に浮かぶ星を見つめたとき、左右の視線はほぼ並行です。
しかし目の前のネジを20cmくらいの距離で見るためには左右の視線がその20cmの一点に集るような寄り目をしなければなりません。

遠くからこちらに向かって動いて来る物を見続けるためには、そのように寄り目の量を距離に応じて変化させていく必要があります。
このような動きを「よせ運動」と言います。

むき運動

目の前の平面上を動き回るものに対して上下、左右、斜め方向などあらゆる方向に両目をスムーズに動かす事ができなければいけません。
両目が同じ方向に向かって動く動きを「むき運動」といいます。

滑動性眼球運動と衝動性眼球運動

動いている物を追い続ける滑らかな動きが「滑動性眼球運動」といいます。
ある目標を見ている状態から違う目標に視線を合わせ直す動きを「衝動性眼球運動」と言います。

例えばサッカーの場合、他の選手の位置を見たりボールの位置を見たりと瞬時に視線を切り替える動きは「衝動性眼球運動」ですし、動き続けるボールを目で追い続けるのは「滑動性眼球運動」です。
つまり「目標を捉え続ける」ためには正確な眼球運動が必要不可欠です。

高い動体視力は「高い静止視力」「正確な両眼視」そして「質の高い眼球運動」によって実現するのです。

ラジコンと眼球運動

ではラジコンを走らせせるとき、どんな目の動かし方をしているのか?

僕がやっている1/12レーシングカーを走らせるときは、2m以上の高さがある操縦台に立つので目の高さは地上4mくらいになり、そこから見下ろして操縦するのでボールを打ち返すような自分の体に触れるくらいまで車が近づくわけではありません。
見下ろしているので遠くから近づいて来るというよりも、視界の上から下に向かって移動するような見え方です。
どんなに近づいたとしても目からは4mも先ですから十分距離は遠く、ほぼ平面上を上下、左右に動いているような感じになるので「よせ運動」はそれほど行っておらず、「むき運動」が主体です。
操縦台無しで足元で楽しむタイプの小さなラジコンカーの場合、には「よせ運動」も重要になるかもしれません。

そしてスタートしてからゴールまで視界の中心に車を留め続けるには、動いているものに視線を合わせ続けるスムーズで正確な「滑動性眼球運動」が必要です。
ただ、僕の場合は一瞬だけ車の先のライン上を見てから車に視線を戻すことをやっているようで、そうなると「衝動性眼球運動」がうまく動かないと車を見失ってしまいます。

実は全日本選手権の操縦台で、隣の選手の送信機が視界に入り車が見えなくなるコーナーがあって、そこは完全にカンで走っていました。
消えた車がまた現れた瞬間に視線を合わせるという目の動きも「衝動性眼球運動」です。

高い動体視力とは?

高い動体視力のためには・・・

「高い静止視力」によって、基本的によく見えるようになっている事。
「正確な両眼視」によって、両目の視線が目標にしっかりと合い高い両眼視機能を発揮している事。
そして「スムーズで正確で素早い眼球運動」によって目標を視界の中心に捉え続ける事。

これらが高レベルで組み合わされば、おのずと動体視力は高い値を示す事でしょう。


「静止視力」は眼鏡やコンタクトレンズなどで補正するし、「正確な両眼視」は眼鏡あるいはトレーニングで補正する。
では「眼球運動」を高めるにはどうしたらいいか?

次回はそんなお話をしたいと思います。

つづく!

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