【事例紹介】視界が狭かった
こんにちは!プラオプ ハセガワです。
明日5日(火曜)と明後日6日(水曜)は連休をいただきます。
よろしくお願いします。
さて、今日の事例紹介は「自分が当たり前だと思っていた視界が、実は当たり前ではなかった・・・」というお話です。
視界が狭い。
人の視界は視線を真っ直ぐ前に向けて片目で上方向に50°鼻側に60°下に70°耳側に100°位の楕円形です。左右方向にはだいたい160°位。
両眼が合わさると左右に大体200°位の広さになりますので、まっすぐ向いていても真横に何かがある(何か?はわからないにしても)のが分かるわけです。
運転免許で片目の視力が規定に満たない場合、片目の視野が150°以上あることが求められます。
真っすぐ見ていて視界の中に何かが入ってっくる。それに反応して視線をそちらに向けてしっかり見る。という見るという動作の出発点になるので、周辺の視界というのは大変重要なのです。
自分では両眼で見ているつもりですし、外見的にも別に両眼の視線が合っているように見えても、実は片目でしか見ていないことがあるのです。
それが「抑制」と言われる状態。
片目ずつの視力検査ではちゃんと視力がでているので、視力検査では見落とされます。
でも、両眼視検査を行うことで実は片目しか使っていないと言う状態がわかる事があります。
今日の事例のお客様は外斜位+上斜位の状態で、両眼の視線を合わせ続けるシンドさから無意識に逃れるため、右目のスイッチを切っていたのです。
スイッチを切れば、視線を合わせる必要がないのでシンドさが和らぐわけです。
完全には切っていなくて、点いたり消えたりする状態。
それでは、常にスイッチの入っている左目の視界しか使えません。
つまり本来200°の広さのある視界が、左の160°しか使えない。
運転中に右から来る歩行者を見落としがちになったり、高速道路で追い越し車線から来る車の存在を見落としたり、普段からよくぶつかったり、3D映画もシンドイし・・と、目の状態からして「もしかしてこんな事ないですか?」というという予想に「そうそう!」と言う反応です。
今回は、視線のズレで負担になっている分をプリズム度数で助ける事で、スイッチが常時入るようになり、右方向の視界の広さと世界の奥行き感を感じられるようになりました。
量としては僅かの量。プラオプ で採用している「ポラテスト法」は「実際に何が起こっていて、どう変化したか?」が分かり、実際に眼鏡に組み込むべき度数がそのまま現れる検査法です。
右目のスイッチが入り、両眼がそれぞれの中心で見る事ができる量が分かるのです。
ポラテスト法はこの「十字」のズレを見て、「視線のズレ」を測定する検査ではありません。ほかに沢山の視標を使い、両眼が正しく中心で見る事ができるかどうか?を立体感の差などを手がかりに探り、人の目が2つある理由:つまり空間を3次元で捉える事ができるかどうか?を調べる検査法です。
しかもわずかな量が具体的な変化につながる事が分かる方法でもあるのです。
視線合わせの負担が近視を強くする事がある
人の目には両眼が一体として働く仕組みになっています。
例えば「ピント合わせ」と「寄り目」と「瞳孔の大きさ」は連動します。
近くに「ピントを合わせ」ようとすると「寄り目」が起きて「瞳孔が小さく」なります。
逆に「寄り目」をすると「ピント合わせ」が起きて「瞳孔が小さくなる」
外斜位(目を閉じていると視線が外向きに開いている)は無意識に寄り目をしながら視線を合わせて見ている目です。
その負担が大きいと、連動するピント合わせまで巻き込んでしまう事があるのです。
近視の目が遠くを見るときに余計なピント合わせをするとどうなるか?
遠くがもっとボヤけてしまいます。(近視が強く測定される)
そんな状態でハッキリ見える眼鏡を作ろうとしたらどうなるか?
本来の近視よりも余計に強い度数になってしまうのです。
つまり、両眼の視線合わせの負担を眼鏡が肩代わりできれば、余計なピント合わせから解放されて同じ視力でも近視の度数を弱める事ができる場合があるのです。
今回の事例はまさにそれでした。
近視の度数を右は約2段、左は3段落としても今まで以上によく見える。近くを見るときに使う力も少なくできて全体的に負担の少ない見え方を作る事ができたわけです。
片目で見たときの方が両眼で見た時よりもよく見える・・・
もしかしたら同じ状態かもしれません・・・
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