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フィッティングは出来上がりの時に行う・・・間違いです

写真はレンズの中心に印を付けたフレームに合わせる前のレンズです。
こうしてみると本当に「レンズ」だなって感じがしますよね。

さて、フィッティングの記事を続けて書いておりますが、それだけ重要なのにセオリーに外れまくっている事が当たり前になってしまっているのが現状です。

じゃあ、なんでレンズを入れる前、つまりフレームを選んだ時に行うのか・・・

それはレンズの位置が決まらないからです。

レンズには中心があり、それを瞳の中心に合わせるのですが、それだけではなくてレンズの設計の良さを実際に作用させる為にも正確な位置を求める必要があるのです。

レンズの中心を直角に視線が貫いています。
この状態が最も良く見える状態。

でもメガネは固定されているんだけど目は動く・・・

だから中心にビシッと視線が通っている事はもしかしたらほとんど無いといえるかもしれません。

つまりこういう事

視線がレンズを斜めに通過しています。

そうすると目にはまるで乱視のようななんだか滲んだような、スッキリしない見え方になってしまいます。

しかし「非球面設計」って聞いたことがあるかもしれませんが、コレ実は斜めに見たときに起きてしまう「乱視」を打ち消す逆の「乱視」をあえて入れることで斜めに見てもハッキリ見えるように工夫されているのです。

だから上のようにレンズの周辺は斜めに視線が通らないと設計の狙いどおりにならないわけですね。

コレは中心から外れた部分を直角に視線が通っています。

これだと斜めを見たときに初めて効果を発揮する「打ち消し乱視」が逆に作用し、単なる「いらない乱視」を目に作用させていることになってしまうのです。

つまり、良く見えない・・・

しかも、この状態だとどんなに視線を動かしても設計が生きる角度で視線が通る事は無いわけです。

中心でさえ斜めに見てしまう・・・

これでは良く見えませんし、変な乱視は疲労を呼ぶかもしれません・・・

だから適当にレンズの中心位置を決めてしまう事は本来出来ないのです。

仕上がってしまったメガネのレンズを移動させる事は出来ません。

しかも左右で瞳の位置が違ったらどうでしょうか?

瞳の位置にあわせてメガネを斜めに掛けるんですか?

そんなカッコ悪いこと、したくないですね・・・

たとえばメガネが曲がってしまって狂ったとしても、正確に作られてさえいればその狂いを直せば元通りですが、初めから狂っているメガネでは直しようがありません。

だから、フレームを選んだ段階のレンズが入る前にフィッティングをして顔に合わせ、その状態で瞳の位置を確認し、レンズの正しい位置を割り出す必要があるのです。

そして、基本的にメガネは下を向く角度で調整します。

なぜなら人は近くを見るときに下を向くことの方が圧倒的に多いので、水平と下を向いたときの中間くらいの角度を付けるのがいいわけです。

それに応じて真っ直ぐ見たときには視線がレンズを斜めに通過するわけですが、傾けた角度に応じてレンズの中心を下げることで、真っ直ぐ見たときには設計の狙い通りの角度で視線がレンズを斜めに通る事になるわけです。

フィッティングというのは掛け心地を合わせるだけではなく、「見え心地」を作る大事な作業なのです。

プラオプはフィッティングと「レンズのレイアウト」をシッカリやります。

でもこれって当たり前の事だって分かっていただけたでしょうか?

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