昼と夜で見え方が変わる?②
こんばんは プラオプ ハセガワです。
前回は、明るさによって瞳孔の大きさが変わると、ピントのシビアさが変わるよ!というお話でした。
じゃあ「完全矯正」・・・つまり、完璧ピッタリの眼鏡なりコンタクトをしていれば関係ないのではないか?
でも、そうじゃない要因があるんです。
「人の目」はガラスを磨いて作ったような精度の高いものではありません。一人一人で顔も違えば身長も違う。世界には瓜二つの人が三人はいると言われていますが、だとしても全く同じ体を持つ人は存在しません。
眼球だって同じで大変個性的なものです。
視力が違う、という事だけでなくて目のレンズにあたる「角膜」や「水晶体」の形だってものすごい個人差があります。
正確なレンズとは・・・
例えば、綺麗な球で磨かれたガラスのレンズがあったとします。大変精度が高く磨かれていても焦点が一点に定まらないズレが出ます。
レンズのズレというか誤差を「収差」というのですが、いろんな種類があります。
上の図はその一つ「球面収差」について。
これを消すには中心部分と外側部分でレンズの強さを変えればいい・・・
実は「角膜」は非球面になっているんです。すごいですね。
目のレンズのズレと、瞳孔の大きさの関係
とっても正確にできた目は中心も周辺もちゃんと同じ場所にピントがあっていますから、瞳孔が大きくなっても小さくなっても関係なく網膜にピントが合いそうです。
でも、人の目です。やっぱりズレているのが当たり前・・・
理想的なバランスとは違う形をしていると、こんな風に中心と周辺ではピントの位置が異なる場合があるのです。
上の3つとも、角膜の真ん中あたりでは焦点がちゃんと合っているのですが、周辺を通ってきた光はうまく網膜にピントが合っていません。
これが明るい時と暗い時での見え方の差に影響を与えます。つまり瞳孔の大きさが変わると見え方が変わるというわけ。
明るい時は瞳孔が小さくなるので、真ん中のいいところを使って見ます。
しかし、暗くなると瞳孔が開き、周辺部分のピントが合わない部分が見え方に影響を与えます。
こんな風に角膜(水晶体も含む)の形状の違いが昼と夜で見え方に差がでる場合があるのですが、実際に起きている事はもっと複雑。
今日は「高次収差」について・・・とは先回の予告で書いたのですが、ここまではまだ「低次収差」といわれる部分。
高次と低次・・・
じつは人の目の形はもっと複雑です・・・
つづく!!
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