「進化の道具③」ー視力とは何か?その2ー
こんばんは! プラオプ ハセガワです。
前回の続きで視力のお話。今日はその「種類」についてから書きます。
普通に「視力検査」といいますと、遠くにある視力表を見せられて測ります。
これを「視力」と普通に言いますが、遠方での視力なので「遠方視力」と呼びましょうか。
とすると反対の「近方視力」と言うものは「近くを見た時の視力」と言うことです。
それに何の意味があるの?とお思いのあなた!あなたこそ今日のお客様です。
遠見視力と近見視力
これは近見視力表です。
「1.0」のワッカは豆粒ですね・・・。
でもこれは、普通の遠くにある視力表と、目に見える大きさは同じなのです。(もちろん距離をちゃんと合わせてのお話、だいたい35cmとか40cmが一般的)
その理屈はこう
簡単に言えば視力とは、どれだけ細かい物を判別できるか?なので、近づいた分だけ小さくすれば目に対する細かさは一緒という事です。
ピントが合えばハッキリ見えるし、ピントが合わなければボヤけて見えます。
なので、遠くがボヤけて見えていれば遠くの視力は低くなるけれど、近くがハッキリと見えるのならば近くの視力は高くなります。
逆に遠くがハッキリ見えれば遠くの視力は高くなるけれど、近くがボヤけていたら近くの視力は低くなります。
なので、遠くの視力を測っただけでは近くの視力はわかりません。
ではどうして遠くと近くの視力が違うという事が起きるのでしょうか?
ハッキリ見えるゾーンがある
眼球にはレンズが付いていて、それで光を曲げて網膜というセンサーにピントを合わせる構造になっています。
ある距離にピントがピッタリと合うようになっているとしたら、他の距離モノのはピントが合わずにハッキリしません。
ところが目の中にはピントが変化するレンズが入っているんです。
それが水晶体。
この水晶体でピントをうまく調節することで、いろいろな距離にピントが合うように出来ているわけです。
でも、このピント調節はより近くの方にピントを合わせる方向にしか動きません。
なので遠くが見えにくい近視の目は、ピント調節をすればするほど遠くが見えにくくなるのです。
そしてこのピント合わせをフルパワー使って見える最も近い距離、そこまでの間であれば物をハッキリと見る事ができるわけです。
前回のお話で出てきた「矯正視力」は、目にピントが合っている時にどれくらいハッキリと見えているか?と言う事なので、このハッキリ見える範囲であれば「矯正視力」で物を見る事ができる。(乱視の影響がない場合)
つまり、矯正視力1.2ならば、このハッキリ見える範囲の間であればどこでも1.2のハッキリさで見る事ができると言うわけです。
でも、その範囲外の部分はピントが合わないので、ぼやけた分だけ視力は落ちます。
範囲外で視力を測れば「視力が低い」となるわけです。
なので、遠くの視力が低くて近くの視力が高い人は、その「ハッキリ見える範囲が遠くの視力表(約5m)よりも近くにある」から。
逆に遠くの視力が高く近くの視力が低い人は「ハッキリ見える範囲が手元(約40cm)よりも遠くにある」からなのです。
このハッキリ見る事ができる範囲(矯正視力を発揮できる範囲)を「明視域」と言います。
次回はメガネは一体何をしているのか?そのへんのお話です。
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