色と感覚⑥ー錐体細胞のチームプレーー
さて、前回の続き。
前回は3種類の錐体細胞それぞれは、光から受けた刺激を電気に変換している仕事をしていて、色はこの段階では生まれていないよ!ただ、それぞれは得意な波長が違うよ!というお話でした。
たびたび出てくる長岡市のハザードマップですが、地図の上にもっと「情報」を乗せたいとしたらどうするか?
模様を書き込んでみたり、「色」を塗ったら情報が増えます。
だからこうしたら分かりやすくなりますね。
これなら伝えたい情報が分かりますし、なによりも色の違いによって危なさ加減がイメージできます。
私たちが見ている世界も形だけなら白黒画像でもわかるでしょう。でも波長の違いという情報その上に重ねるとしたらどうしたらいいか?
同じように「色の違い」として上乗せすればいいわけです。
波長の違いを感じる仕組み
結論から先に言えば、3つの錐体細胞が受けた刺激の差を利用して、「光の波長の違い」と言う情報を脳に備わるプログラムが「色」の違いとして表示しているのです。
では、解説を試みるとしましょう。
例えばL錐体だけの場合、違う波長の2種類の光が当たったとしても、同じ刺激であればそれが出てくる出力は一緒ですからそれが「違う波長だ」とは判断できません。
ではM錐体に手伝ってもらいましょう。
すると、上の図での赤いラインで表した波長についてL錐体とM錐体では感度が違います。
こんな感じで。
そして青いラインの方はこんな感じ
算数をしてみましょう。
赤ラインのところでのL錐体が50でM錐体が20だとしたら
50(L)−20(M)=30
としましょう。
じゃあおんなじ要領で青ラインのところは・・・
50(L)ー60(M)=−10
おおー!30と−10では全然ちがいますな。
実際はさらにS錐体も一緒にお仕事をするわけですが、よく似ているL錐体とM錐体でも、お互いに協力することで波長の違いを調べる事ができました!
この違いを「色の違い」で表せば波長の違いを感じる事ができるわけです。
この計算はある程度は網膜の中にある別の細胞が整理して、最終的には脳が計算して色の違いとして表示する・・・
こんな感じです。
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