色と感覚⑦ーS,M,LとR,G,Bー
前回は錐体一種類だけでは波長の違いがわからないけれど、違う種類の錐体と組み合わせると違いがわかるよね。というお話でした。
あらためてL錐体、M錐体、S錐体のそれぞれの感度の違いはこんな感じでした。
光の三原色といわれる「R:赤」「G:緑」「B:青」があります。この3色をまぜたらあらゆる色が表現できる・・・とされております。
逆に考えたらこの「原色」は混ぜて表現できない色と言えます。原色の「赤」をだしたいなら「緑」や「青」が少しでも混ざったら違う色になってしまうからです。
じゃあ光の三原色の波長はそれぞれいくつなのか?
1931年に国際照明委員会(CIE)という組織が定めたところによると・・・
R:赤=700nm
G:緑=546.1nm
B:青=435.8nm
だそうです。(あくまでCIEが決めた数値であって、他にも色々な定義があります。)
3つの錐体の最も感度が高い波長はL錐体が557nm、M錐体が531nm、S錐体が431nmですから、青がS錐体の感度に近いですがそれ以外はだいぶズレがありますね。
だから各錐体を「赤錐体」とか「緑錐体」「青錐体」と呼ばないで、L,M,Sと呼んでいるというわけです。
しかし、よくみると赤の700nmはM錐体の感度がなくなる境目だし、青の435.8はS錐体の感度のピークで、MとLが重なるところ。緑の546.1nmはS錐体の感度がなくなる境目・・・
何が言いたいかというと、光の三原色というものは元々自然界に存在しているものではなく、人の持つ3つ錐体細胞の特性によって決まった「人間独自」のものだという事です。
動物によって錐体細胞が2種類だったり、4種類だったりしますし、人と同じ3種類でも感度が異なったりします。
錐体細胞が2種類ならば2原色、4種類ならば4原色、3種類であっても感度が異なれば人間とは違う三原色ということなのです。
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