濃いサングラスが目に悪い?【うそです】
こんばんは!プラオプ ハセガワです。
さて、健康はみなさんにとってとても関心の高いトピックです。
もちろん目だってそう、いつまでも快適な視界を維持したいものです。
だから紫外線、ブルーライト対策について様々な情報やアイテムが出まわっているわけですが、その情報の全てが果たしてただしいのか?
その情報の価値を何で判断するのか?
単にTV、新聞で取り上げられたから信じるのでしょうか?
今日のテーマ「濃いサングラスが目に悪い」について、実際にサングラスを取り扱い、眼鏡レンズを提供する「レンズのプロ」として意見を述べたいと思います。
よく言われるのが「暗いところだと瞳孔が開く、だから暗いサングラスを掛けると瞳孔が開いた分だけ紫外線が沢山目に入る・・・」と言う事。
ハッキリ言いましょう。
これ、もう20年以上前の古い情報です。
最近はあまり見ませんが、紫外線カットの性能を表すのに「UV400カット」と言う表記があります。
これは400nm以下の紫外線をほぼ100%以上カットします。と言う意味ですが、この意味から説明しましょう。
「nm:ナノメートル」とは1ミリの100万分の1の大きさ、つまり400nmとは超小さい大きさを表すのですがこれは光の波長の大きさを表します。
どういうことかと言うと、光は波の性質を持っているのですが、波が上がって下がって戻るまでの「波の一個分の距離が400nm」と言う意味です。
数字が小さいほど細かく振動している、つまりエネルギーが高いと言うこと。
そして、光は波長の違いによって様々な異なる効果を発揮します。
例えば・・・
こんな風に、私たちが様々な色を感じるのはまさに、光の波長の違いによるのです。
さて、ここで何か気がつきましたか?
紫外線の部分、黒いです。
「紫」の「外」の「光」
つまり、目に見える光「可視光線」の外にあるので、私たちは「紫外線を見る事はできない」のです。
つまり、「紫外線そのものは眩しくない、眩しいのは目に見える可視光線」なのです。
話を戻して「UV400カット」のサングラス。
この400nm以下の光、つまり、紫外線と紫外線により近い可視光線の一部まで99.9%以上カットしている・・・100%とは書けないのですが、全く通していないと言っていいレベルなのです。
さて、色の濃いサングラスを掛けました、瞳孔は確かに広がるかもしれません、しかし、瞳孔が広がったとしても「紫外線はレンズにカットされてそもそも入ってこない」のです。
裸眼でいたら瞳孔が小さくても紫外線は何にも遮られずダイレクトに入ってきます。
じゃあ「薄い色のサングラスがいいんじゃないか?」となるのですが、何でサングラスが必要なのですか?
それは「眩しい」からじゃないですか?
「紫外線は目に見えない=眩しさとは関係ない」のですから、眩しい可視光線を防げなければ、その「眩しさ」は防げないのです。
色が濃くてもサングラスによって視界の大部分は覆われてしまい、サングラスを通過する紫外線はほぼ完全にカットされるのですから、とても健康的です。
「色が濃いサングラスは瞳孔が開いて紫外線が沢山目に入る」というのは、紫外線をカットしないサングラスがあった時代の話、もう20年以上前の話です。
そういうサングラスとの違いを明確にするため、いまは見かけない「UV400カット」なんて表記を宣伝文句にしていた時代があったのです。
今のサングラスは紫外線をカットしないサングラスを探す方が大変でしょう。
なぜなら、レンズの素材そのものが紫外線をカットするからです。
よほどの粗悪品でない限り「紫外線カット率99%以上」って書いてあります。
「フレームの脇から紫外線が入ってくる・・・」と言いますが、そうゆう風に入ってくる紫外線は、ダイレクトに入ってくるものより、反射を繰り返して減衰しています。しかも視界を覆う面積を考えたら微量です。
だから大切なのは「視界をしっかりと覆う大きさと形である事」そして「帽子を併用する事」です。
目の健康のためにサングラスはとても有効です。
そして安心して、しっかりと眩しさを防げる濃さのモノを掛けてください。
目をしかめていたら、シワが増えちゃうかもしれませんよ。
情報は伝える人間の理解力以上は伝わらないと言う事、TVや新聞の情報だって記事を書く人間の理解力以上の情報は伝わらないと言う事です。
お医者様の健康情報はとても有益です。
しかし、メガネレンズやサングラスの専門家は僕たちです。
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