ラジコン競技用眼鏡その2
こんばんは!プラオプハセガワです。
去年ラジコン競技用の度付きサングラスをつくってくださったO様。
今度の大会は室内のサーキットで行われるので、それに合わせて透明なレンズでお作りになられました。
会場は「ヤタベアリーナ」という言わばラジコンレースの聖地みたいなところでしょうか?
僕も実は何回か行ったことがあります。
いまからもう20年も前の話になってしまうんですが、僕もハマってまして「1/12レーシング」というカテゴリーに参加してました。
約2000mAhというバッテリー容量・・・iphone8のバッテリーよりちょい多い位の容量を8分間で使い切る・・・残ればスピードに変えられたはずだから失敗だし、足りなければレースを完走できないというシビアな燃費管理・・・バッテリーにも無視できない大きな個体差があるのでより高容量でより高電圧な物を厳選し、それを数本用意するとか、モーターもコースに合わせた特性のものを選んで、効率を最大にするために様々な工夫やセッティングをしたり。
コーナーを高速で曲がれる車体のセッティングや数10種類あるタイヤ選びなど・・・
とてもシビアで勝とうと思えばそれなりの投資と沢山の練習が必要な「モータースポーツ」です。
ヤタベアリーナの長いストレートではおそらく時速50kmを超えるんじゃないでしょうか?大きさが実物の1/12ですから単純に600kmのようなスピードで突っ走るようなイメージ??
コース脇でみているとそのスピードにビックリします。
いまでもお付き合いさせていただいている皆さんに会いにラジコンサーキット「モロテック」さんに遊びに行くのですが、僕が通い詰めてお世話になった「コクピット」さんは去年惜しまれつつ閉店されてました。ご挨拶も出来なかったのが本当に悔やまれます。
今のマシンは当時と全然違いむちゃくちゃ高容量になったバッテリーと高効率になったモーターで行われていて全然違います。
でも、人が操作をする事には変わりません。
自分の操作と車の動きがイメージとズレる。車がグリップしている感覚とそうでない感覚。加速感の鋭さや鈍さ。ハンドル操作に対する俊敏さや鈍さなど・・・
無線で操作しているはずなのに、それを「感覚」として感じるのです。タイムが出る動きとタイムが出ない動きがわかる!
しかも、レースは一人で行っているわけではありません。
ライバルがいます。
一周を10秒弱で回るスピードでちょっと操作を間違ってフェンスに当てれば何処に飛んでいくかも分からない。それでも前を走る車にギリギリでくっ付いて走り、僅かなチャンスをみのがさずにフェンスギリギリで抜きさらなければ勝てません。
つまりラジコンレースは「見る」事によって「操作」をし、その結果を「見る」ことで確認し修正を繰り返すという「視覚能力」がとても試されるスポーツであるといえます。
単に視力が高いだけでは勝てません。2つの眼を協調させることで得られる高度な立体感。車を眼で追い続ける事ができる事と正確にそして瞬時に視線を移せる高度な「眼球運動」コース上で何が起こっているのかを感じるための「周辺視」などが要求されるからです。
長くチャンピオンの座を守りつ続けた伝説のレーサーはレース中に一回も瞬きをしませんでした。
僕ら眼鏡士に求められるのは、まず「視覚を整える」こと
眼の個性を理解し、それに応じた度数を選択し正確に調整したフレームに正確にレンズをセットする。それが基本です。
それをベースに環境に合わせたレンズカラーや特殊な機能を持ったレンズを使い、
よりパフォーマンスを高めるギアとしての眼鏡をあつらえなければなりません。
さらにはトレーニングの必要性があればそれをお手伝いする事も必要になります。
そんなわけで今回O様のヤタベスペシャルは実はオールラウンドで使える透明レンズですが、広い視界を確保するために少し顔に沿うデザインのフレームです。
そのため、視線とレンズの交わる角度が通常の眼鏡とは大きく異なる為、そのズレ補正をレンズに組みこまなければなりません。
そこでレンズは「カールツァイス・シングルビジョン・インディビジュアル」で作りました!
これはレンズの湾曲、眼とレンズの間の距離、上から見たときのフレームの角度、横から見たときのフレームの傾きなどの情報をメーカーに伝える事で、そこにセットされた時に最高の見え方になるように個別にカスタマイズされるレンズです。
しかも、フレームの形を約1万箇所に分割してその一点一点が最適な見え方になるような面を設計し、一枚一枚削り出して作る「フリーフォーム設計」の最高傑作です。
さらにレンズに付く「デュラビジョンコート」は世界で最も反射率が少ない・・・つまりレンズがそこにある感じがしないといわれるほど透明度が高いのです。
O様ありがとうございました!
この新しい相棒で是非素晴らしいレースを楽しんでいただけたらと思います!
おらもラジコンしたい・・・
この記事へのコメントはありません。