鏡の中の距離感
こんばんは! プラオプハセガワです。
鏡シリーズ3回目。
1回目「鏡はなんで左右が反対に映るのに、上下はそのままなの?」
2回目「鏡と写真の違い」
と続き、今度は鏡の中に踏み込んでみましょう。
鏡の中の世界へ・・・
さて、自分の姿を映した鏡が目の前の1m先にあるとします。何か物を見る時にはピントが合わなければなりません。
ではそのピントは何処に合わせるのでしょうか?
1m先の鏡でしょうか?
実は違います。
なぜなら「鏡」そのものを見ているのではなく「鏡に映った自分の姿」を見ているのからです。
「鏡に映った自分の姿」とは?
鏡の中の自分の「目」を見るとしましょう。目から視線がレーザービームのように出ているとします。
すると鏡まで進んだレーザービームは跳ね返って自分の目に当たらなければ「自分の目」を見る事はできません。
つまり、鏡のまでの距離の2倍ビームは進んでいるわけです。
だから鏡までの2倍の距離にピントが合わなければ「鏡に映った自分を見る事はできない」のです。
なので上のイラストは本当はこうなります。
まぁ鏡を斜め上から見ているので若干違うんですが、違い、わかりますでしょう?
その前に光の性質の一つ「反射」について。
光は鏡のような反射する物に当たると、ぶつかった時の角度と同じ角度ではね返ります。
図に描くと下のような感じ
なので、例のイラストで女性が鏡に映る男性を見ると、視線は鏡に反射して男性の方に向かいます。
鏡の面ではぶつかった時と同じ角度ではね返るわけですが、鏡越しにみれば視線はそのまま鏡を通り過ぎているようにも見えるのです。
なので、男性は鏡から離れて立っている距離の分、まるで鏡の奥に立っているかのように見えるのです。
女性が鏡に映っていないのは不自然なので、こういうこと・・・
つまり、鏡は単に物が反射して見えているというよりも「空間そのものが映し出されている」ということなのです。
触れることは出来ませんが、奥行きがあるのです。
眼鏡で自分の姿を見るためには?
さて、やっと眼鏡という言葉が出てきました。
例えば床屋さんや美容師さん、男性も女性も身だしなみを整える為に鏡を使いますが、鏡を見るための眼鏡はどう合わせればいいのでしょうか?
鏡までの距離を測ってその距離にあわせた眼鏡にしても見えないよ!ということなのです。
つまり、鏡までの距離の2倍の距離に焦点を合わせなければならないので、わりと遠くが見える眼鏡でなければならないのです。
1m50cmくらいに鏡が設置されていたとすれば、3mが見える眼鏡でなければ鏡越しに自分を見る事はできません。
職業で鏡を良く使う方は、その辺を考えて眼鏡を合わせないとならないと言うわけです。
さて、次回は鏡越しに見える「立体感」についてを書こうと思っております。
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