カメラの話⑧ー色の表現ー
こんばんは!プラオプ ハセガワです。
前回は「ダイナミックレンジ」・・・明るいところと暗いところの差が大きい場面でも、ちゃんと見えるかどうか?
そんなお話でした。
今日は「色」について。
光の3原色は「赤、緑、青」・・・RGBと言われますが、この組み合わせで全ての色を表現します。
上の画像が表示されているパソコン画面を拡大してみますと・・・
ここまで拡大すると流石の4Kモニターでも点々が見えます。赤青緑の比率で色を再現しているのがよくわかります。
デジタルカメラの画像センサー(フィルムに当たる)も、写ったモノを赤青緑に分けて記録します。
では、それをどうやって記録するのか?
普通のカメラの設定だと8ビットで記録します。
???
デジタルデータというのは「あり」か「なし」の2つで出来ていて、それがドワーーーーーーーっと並んでいるんです。
ありを「1」として無しを「0」にする。
ある色を見たときに、赤:1 青:0 緑:0なら「赤」という感じ。
なので、組み合わせは8通り・・・
赤:1 青:0 緑:0=赤
赤:0 青:1 緑:0=青
赤:1 青:1 緑:0=紫
赤:0 青:0 緑:1=緑
赤:1 青:0 緑:1=黄
赤:0 青:1 緑:1=水色
赤:1 青:1 緑:1=白
赤:0 青:0 緑:0=黒
なのですが、これでは色が少なすぎます。
なので各色を8桁で表すことにします。
つまり・・・
赤:01011001 青:10110101 緑:10001110
というように。
全部が「0」なら黒、何色も発色していないから
赤:00000000 青:00000000 緑:00000000
全部が「1」なら白、全部が全開でついているから
赤:11111111 青:11111111 緑:11111111
1が8個あるときの組み合わせは「256」通り、つまりなにも発色していない「0」から段々と色が着いていって全開で「256」なので色の量を256段階で表しているというわけです。
それが3色あるので256x256x256=16,777,216
たったこれだけで1677万7216色を表現できるのです。
各色につき8個の1か0(有るか無いか)で表す・・・これを8ビットといいます。24ビットフルカラーというのは8ビットが3色で8x3=24という意味です。
iPhoneの1200万画素のカメラを例にとれば、1画素につき「010011010000011101001011」というような物が1200万個並んでいるつまり2億8800個も1か0が並んだデータで一枚の写真を表現しているというわけです。(デカすぎで記録も大変なので、圧縮という処理をしてデータを少なくします。)
でも色の濃さって256段階で十分なんでしょうか?
色の濃さの滑らかさ
これを階調と言いますが、256階調が狭い面積であればとても滑らかに見えます。
しかしとても大きい面積だったらどうなるか・・・
グラデーションに線があるように見えませんか?
もっと細かく、65536階調(16ビット)だったら線は見えなくなることでしょう。
滑らかなグラデーションのつもりが、段々と見える・・・つまり人の目は非常に細かく色の違いを認識できる能力があると言うことです。
カメラやTV、パソコン画面や印刷物。
できるだけ肉眼に近いようにどんどん技術は進歩していても、まだまだ人の目を超えられない部分がある。
だからこれからもますます進歩してゆくんでしょうけど、それをデジタルデータとして記録するには途方もない大きさのデータになってしまうわけです。
大きさを記録できるだけではいけません。それを処理するとなるとコンピューターには途方もない処理能力が必要になるのです。
目にも赤 青 緑 に相当する視細胞(錐状体視細胞)があり、それが光を電気信号に変えて脳に届けています。
なのでやっていることは実は「デジタル」的だったりするわけです。
人間の処理能力ってテクノロジーと比較する、とんでもなく凄いんだな・・・と思います。
この記事へのコメントはありません。