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カメラの話⑦ーダイナミックレンジとはー

こんにちは!プラオプ  ハセガワです。

先回は目って何万画素なの?「目の解像度」=「視力」だよというお話でした。

先々回は目は一瞬の連続で見ているよというお話でした。

段々と目の話になってきましたね。

目がとても良くできている事を感じる要素はまだまだたくさんあるのですが、今日は「ダイナミックレンジ」のお話。

そもそも「ダイナミックレンジ」とはなんだ?

ダイナミックレンジとは

何かを表現するときの幅の広さとでも言いましょうか。

これはカメラだけではなくいろんな分野に出てくる言葉です。音だったり。

今日のお話で言いたいのは「明るさのダイナミックレンジ」

つまり、どれくらい明るいところから、どれくらい暗いところまでを一枚の写真で表現できるか?という事です。

例えば室内で写真を撮ったときに、人物は思ったよりも暗くなりすぎたり、明るくなりすぎたりしませんか?

こんな感じで

服の凹凸がわかりません。真っ黒です。これが「黒つぶれ」

ありゃりゃと思って明るさを調整して撮影すると・・・

窓の外が真っ白・・・駐車場の線さえわかりません。これが「白とび」

でも自分の目で見たときは、室内の人物も、外の景色もちゃんと見えていたはず・・・

カメラでただパシャっと撮っただけでは、肉眼で感じた通りの写真にはならない。

これは「明るいところから、暗いところまでを感じる幅が狭い」からなのです。

この幅の広さが「ダイナミックレンジ」

これが大きければ暗いところも明るいところもキチンと写真に映るという事です。

スマホのカメラにも「HDR」モードというものが付いている場合がありますが、これ「ハイ・ダイナミック・レンジ」の略。

つまり、とても暗い所と、とても明るい所がある場面でも「黒つぶれ」「白とび」が起きずに、自然に見える写真が撮れるよ!という機能です。

カメラが自動的に明るさの異なる写真を複数同時に撮影して、それを合成する事で実現しています。

撮影が難しいのが、さっきのように被写体(ナカムラ氏)のバックがとても明るい場面。太陽を背にした被写体を撮影する時「逆光」と言いますが、これを自然に見せる写真というのは大変難しいのです。

なので逆光の写真を撮ってみました。

綺麗な青空だったのですが、空はなんにも写っていません。

じゃあ空を・・・

雲は見えますが肝心の被写体が暗いです。

これを合成します。

ナカムラ氏も空の青も写っています。

目で見た感じとだいぶ近く感じます。

これが「HDR」の理屈。

自然に見える写真を「ハイ・ダイナミック・レンジ」と言うということは、裏を返せば「目」はウルトラ・スーパー・ハイ・ダイナミックレンジという事。

明暗の差が大きい場面でも、しっかりも見ることができるって物凄い事だったりするのです。

最近出てきた高級テレビ「有機EL」ディスプレイ。これの特徴は「ダイナミックレンジが広い」事

液晶ディスプレイはバックライトが常に光っていて、それを偏光シャッターで閉じ、光が出ないようにする事で「黒」を表現します。

しかし、光はどうしても少し透過するので完璧真っ黒にはなりません。

明るい方も、偏光フィルターを必ず透過しているので、その分だけ暗くなってしまいます。

それに対して有機ELは、点ひとつひとつが発光します。

しかも結構な明るさで。

なので何も妨げられない分明るくなり、完全に消灯できるので黒を真っ黒に表現できるので、明るいところと暗いところの差を大きく再現できるのです。

カメラやその他の機器の仕組みを考えてみると、私たちの目って本当に凄んだな・・・と改めて感じることができますね。

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