UVカットレンズは劣化するのか?
こんにちは!プラオプ ハセガワです。
最近の眼鏡関係のニュースで気になったことが・・・
「レンズのUVカットは劣化する」という話。
眼鏡のレンズの専門家としては「???」と思ってしまいました。
もしかしたら僕の知らない事実があるのかもしれない・・・
さて眼鏡レンズの紫外線カットはどんな仕組みでできているのか?
私たちが扱っている「視力補正を目的とした」レンズに限って言えば「レンズの素材そのものが紫外線を通さない」のです。
決して「コーティング」が施されているわけではありません。
レンズメーカーは沢山あって、中にはご存知の方も多いでしょう。
ツァイスとかニコンとか。
しかし、「レンズの素材」はレンズメーカーが作っているわけではなく、各レンズメーカーは素材メーカーから原料を仕入れています。
プラスチックレンズに関して言えば素材は「液体モノマー」
それをレンズメーカーは固めて削って磨いて・・・など様々な方法でレンズを作るわけです。
では素材メーカーはと言えばそんなに多くはありません。
プラスチックだと三井化学とか三菱ガス化学とか。
ガラスだとコーニングとか
なので「屈折率」など、素材の特性が同じであれば、レンズメーカーが違ってもレンズに使っている「プラスチック」「ガラス」は同じということです。
素材そのものが紫外線をカットするとはどういうことでしょう?
それは素材メーカーが作る素材そのものが、初めからそのように作られているということです。
現在「紫外線カット」は標準装備、カットしていないレンズの方が少なくて逆に高価だったり・・・
(昔、UVカットがオプションだった時はレンズを整形する前に液体のレンズ素材に紫外線カット材を混ぜ込んでから作っていたので特注になっていたのでした。)
なので、レンズの表面で紫外線を弾き返しているのではなく、厚みのあるレンズそのものが紫外線を通さないのです。
そう考えると「傷がついた所は紫外線カットしなくなる」というのは当店が扱うレンズに関して言えば「ウソ」ということです。
レンズは最も薄くても1mm以上の厚みがあります。紫外線のエネルギーが有害と言われていても、1mmの厚みもある物の素性を破壊してしまうほどのエネルギーがあるとは考えられません。なぜなら紫外線カットの素材は0.1mmでも紫外線をほぼ100%カットするからです。
僕の知り合いのメガネ屋さんが、そのことに関して大変詳しい記事を書いておりました。
長く使ったレンズが実際紫外線カット率がどれくらい低下しているのか?が実例を元に解説してくださってます。
13年ハードに使ったサングラスも紫外線透過率が0%・・・
ハートランドの丸山さん転載許可ありがとうございました!
ハートランドさんのように紫外線透過率がわかるレンズメーター(レンズの度数と中心がわかる機械)欲しい・・・
でも紫外線カットテスターは持ってますので、気になる方はお尋ねください。
ではでは!
突然のコメント失礼します。
現在翼状片が拡大しつつあるためメガネでの紫外線カットを調べ始めてこちらへたどり着きました。
「視力補正を目的とした」レンズに限って言えば「レンズの素材そのものが紫外線を通さない」のです。
とありますが「視力補正を目的とした」レンズにもレンズメーカーはオプションでUVカットコーティングを設定していると思います。
そうなるとこのコーティングは不要なオプションと言うことになるのでしょうか?
コメントありがとうございます。
昨今の紫外線カットが標準装備になっているレンズについてはオプションでUVカットは設定されておりません。
標準装備化される前の15〜20年前はUVカットがオプションでした。
今ほとんど出ることはなくなりましたが屈折率の低い素材(具体的には1.50)のレンズには標準化されていないものもございますが
探さなければならないほど大変少数です。
UVカット標準装備のレンズは400nm以下の紫外線を99%以上カットします。
HEVと言われている420nm(可視光線領域を含みます)までカットするレンズを希望する場合は、HEVカットがオプションの設定か、違う製品になります。
回答ありがとうございました。
名前にUVが入ったオプションコーティングがあったり、レンズコート性能比較表にUVカットの項目があったり
するので、今でもUVカットはコーティングの機能だと勘違いしていました。
改めて各メーカーの説明を見ると名前にUVが入ったオプションコーティングは裏面のUV反射を抑えるもののようですね。
う~ん、ややこしい・・・
たしかに裏面UV反射カットのオプションがありましたね。
おっしゃるように「P-UV」と書かれていたら何故UVカット標準装備にUVカットがオプションなんだ?と思うのは頷けます。
コメントありがとうございました!