【事例紹介】乱視と両眼視
こんばんは!プラオプ ハセガワです。
「深視力検査が通らない!!」
その原因は色々とあるわけですが、人は2つの目で見えた映像の差を利用して感覚的な立体感を感じています。
見ている目標に両眼の視線をキチンと合わせる事ができないとその感覚はとても曖昧になってしまいます。
だから「立体感」とは「両眼で見るときに起きる能力:両眼視機能」の目標なわけです。
「乱視」とは目に映る映像の質の問題。
とすると「両眼でみる機能」には関係ないように思われるかもしれません。
ところが、これが肝だったりするんです。
「両眼視機能」は「両眼が受けた情報の差」を利用しているということは、「質が高い情報」が両眼にそれぞれ写っていなければ差を比較できないし、差が大きすぎたら・・・極端に言えば左右で全然違う映像が映っていたら比較も何もないわけです。
つまり、両眼に鮮明な映像を映す事は「立体感」の基礎になるわけです。
「(遠方)視力検査」で「1.0」とか言った場合、どれくらい鮮明に物がみえているのか?を大体表してはいるとしても、視力検査で使われている「記号」が何かを「判定」できているだけで、「視界」がどれほど鮮明なのか?は表しきれてはいません。
「うーーん?!」と考えて「右(かなぁ?」と言うのとパッと見えて「右!」と言うのでは、同じ視力でも内容は全然違うわけです。
今日の事例紹介はそんなお話。
右目は0.8(遠方裸眼視力)左目は1.0両眼で1.0の視力が出ているのに「深視力検査に毎回つまずく・・・」というお困りでした。
それだけを見たら「もしやプリズムがひつようか??」とか思ったり(可能性としては当然考慮しますが)・・・。
でも原因はもっと根本的なところ、つまり「乱視」を放ったらかしにしていたせいだったのです。
視力がなまじ出てしまうので、眼鏡が必要だとは言われない・・・そんな所が苦労を生んでいたんでしょうね。
乱視のほったらかしは目の疲れにも繋がります。
文字が滲むので、小さな文字を目を凝らしてみてしまう。見えにくいから近づけないと読めない。見ている距離が近すぎてピント調節にも視線合わせにも余計な負担を掛けがちになってしまう・・・
見えてはいるけど見えてはいない・・・
そんな曖昧な映像では頭のなかで精密な立体的な感覚は生まれにくいわけです。
結局出した度数は・・・
右:遠視度数+0.25 乱視度数-2.00 乱視角度90度
左:乱視度数のみ-1.50 乱視角度85度
これで「深視力測定器」で試してみると、見事にズレなしでパスできました。
細かい部品を見たりする時に、単に「ちゃんと見える」ことだけではなくそれを組みつけたりするような場面では「立体的な感覚」が重要な役割を持ちます。
「深視力」の検査だけではなく、私たちな何気なく無意識に「立体的な感覚」を使っています。
だから「深視力検査をパスする」事が目的ではなくても眼鏡を合わせる上で「両眼を使う事で生まれる目の能力:両眼視機能」を考える事は大事であり、当たり前のことなのです。
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