作業環境を考える【パソコン】⑤
こんばんは! プラオプ ハセガワです。
パソコンの作業環境を考えるも5回目。
前回は見える範囲の奥行きをコントロールするお話でした。
そろそろ結論を・・・といきたいところですが、実は今回の連載で最も書きたかった事は今日の記事なのです。
というのは「見える横幅の問題」です。
明視域とスキューバロアゾーン
「明視域」と言われる「ハッキリと見える範囲」は目を中心に球形に広がっております。
作業で必要なものが全てこの範囲に入っていればいいわけです。
例えばこの眼鏡のレンズには、一つの度数がはいっているとします。こんなふうに
でも、デスクトップパソコンのようにモニターを離した作業環境にこれでは見える範囲の奥行きが足りなくて使いにくいので「近々レンズ」を使うとしましょう。
度数はこんな感じで「+1.00」から「+2.00」に変わるとします。
あれ?横の白い部分はなんでしょう?
レンズは表面の湾曲と裏面の湾曲の差で度数の強さを変えます。なので、+1.00と+2.00ではレンズの形が違うのです。
形が違うレンズを組み合わせたら度数がいきなり変わります。するとレンズには境目が出来ますし、見え方も境目でいきなり変わります。
なので無段階に連続的に度数を変える事で境目をなくしているわけですが、それでも端っこには段差が残ります。
それを馴染ませて一枚のレンズにしているイメージですが、結局端っこには度数が狂ってあんまりよく見えないゾーン(スキューバロアゾーン)ができてしまうのです。
これが横の白い部分の正体。
これは度数の変化が大きいほど大きくなります。
その見えにくくなってしまう原因を減らして、有効に見える範囲を広げる事でレンズはドンドン進化していったわけで、最新の技術が使われるグレードの高いレンズはその「見える範囲」の広さに大きな違いが出ています。
この見える範囲の広さが問題になってくるのですが実際にどう問題になるかを見てみましょう。
見える横幅の問題
では、その「見える範囲」でどんな影響がでるのか?
デスクトップパソコンのモニターと手元を見たいとしましょう。
見えるゾーンの奥行きが伸びてモニターがその範囲に入りましたが、横幅が小さくなりました。
でも見たいものが全て範囲に入っているので良さそうです。
ではモニターを2面横に並べたらどうでしょう?
ありゃ!真ん中しか見えない・・・
顔を見たいものの方向に向けたら見えるわけではあるのですが、視線を向けただけではぼやけて見えてしまうゾーンが出来てしまいます。
もっと遠くの事務所の奥までまで見えるように設定すると・・・
普通のデスクトップパソコンの環境でも画面が見える横幅が小さくなってしまいました。
まとめると・・・
老眼の影響で手元が見えにくくなって眼鏡を使ってそれを補う場合、初期であれば度数が一つだけ入っている眼鏡で(遠くは見えにくくなっても)作業する範囲を全てカバーできるかもしれません。
でも老眼がある程度進むと、度数が一つの眼鏡では手元に合わせたら少し離れたところが見えにくくなるというように「明視域」という見える範囲が変わっていきます。
それを補う為に度数がレンズの場所によって変化するレンズを使うわけですが・・・
- 明視域の「奥行き」を伸ばすと「横幅」が狭くなる
- 度数の変化が大きいと横幅が狭くなる
といった関係にあります。
人の目には「水晶体」というレンズが厚みを変えてピント調節をしますが「老眼」は「水晶体」が年齢とともに硬くなってピント合わせをしにくくなる事。
同じ機能を眼鏡に取り付けようとすれば、カメラのような複雑な装置を取り付けなければなりません。
今後なにか革命的な製品が生まれたら眼鏡も変わるかもしれませんが、シンプルに一枚のレンズでなんとかするには、「レンズの場所によって度数が変わる」レンズを使うのが今のところ現実的ですし一般的です。
つまり用途を区切れば便利な眼鏡が作れても、万能な眼鏡は難しいのです。
前回、今回と問題点を色々と書いてきましたが、ではどうするか?を次回考えてみましょう。
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