色と感覚④ー波長と3つの錐体細胞
こんばんは!プラオプ ハセガワです。
だいぶ開いてしまっている色と感覚のお話。
ちょっと戻って1回目に「実は色というものは存在しない」というお話を書きました。
今回からは「色を感じる仕組み」について考えてみようと思います。
「波長」とは?
まず「波長」というものについて説明しましょう。
光はその波の揺れ具合で性質を変えるわけですが、目に見える「ある光」は1秒間に約500,000,000,000,000回も振動します。
それじゃあちょっと分かりにくいので波が上がって下がって元に戻る、この一回の長さで表すことにします。
光が1秒間で約300,000km進みますから、300,000km÷500,000,000,000,000=0.0006mm=600nm(ナノメートル)
ずいぶん分かりやすい数字になりましたが、この一回分の波の長さ600nmが「ある光」の「波長」です。
人はこの「光の波長」の違いを識別する事ができる能力があります。
それこそが「色」というわけです。
3つの錐体細胞と1つの杆体細胞
まず前提として、色や明るさは「脳」の中で作られている。私たちは自分の脳の中で自分が描いた世界を「現実」として感じています。
なのでこれから使う「光」という言葉は、色も形も質量もない「エネルギー」の事だと思ってください。
人の目玉の奥には網膜という薄い膜があります。
そして網膜は10層に分かれていて光を電気の信号に変換する「視細胞」は奥の方に並んでいます。
つまり「網膜」は「透明」で、光はその透明な網膜を通り抜けて奥の「視細胞」に当たるのです。
そして視細胞で生まれた電気信号は網膜中間の層である程度整理されて表面近くの神経細胞に伝わりそこから伸びる長ーい繊維が乳頭部に集まり、視神経となって目玉の外に出ます。
その「視細胞」は頭がとんがった「錐体細胞」と頭が長い筒状の「桿体細胞」があります。
今回のテーマ「色」に関わるのは「錐体細胞」ですがこれは3種類「L錐体」「M錐体」「S錐体」があります。
L・M・S・・・洋服じゃありません。が、まぁいい線いってます。
この意味はというと、LONGな光の波長に反応するのが「L錐体」、MIDDLEな真ん中あたりの波長に反応するのが「M錐体」、そしてSHORTな短い波長に反応する「S錐体」という感じです。
各錐体細胞が反応する波長
3つの錐体はそれぞれ違う波長で反応します。
「L錐体」は558nmの波長に最も強く反応するそうです。
「M錐体」は531nmの波長に最も強く反応するそうです。
「S錐体」は419nmの波長に最も強く反応するそうです。
単純にイメージすると「L錐体」は「赤」に、「M錐体」は「緑」に、「S錐体」は「青」に対応する・・・と思うじゃないですか。こんなふうに・・・
ところがL錐体とM錐体の間は558-531=27nmしか離れていません。(M錐体とS錐体は112nm離れています)
なので実際にはこんな感じになります。
L錐体とM錐体は大変よく似ていて細胞レベルではほんのわずかな違いしかないそうです。
LとMがこんなに似ているのに、どうして色を見分けられるのか?
不思議ですね・・・
次回からはその辺を考えてみましょう!
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