立体的に見える事がどうしてトレーニングになるの?③
こんばんは! プラオプ ハセガワです。
先回に続いて立体的に見えるアレのお話です。
連載になっちゃいました。
今日は離し目=「平行法」のお話です。
離し目で見る:平行法
先に理屈を解説します。
まずはこちら、先回のものからちょっと改造しました。
印刷用のPDFはこちらからどうぞ。
立体的に見えるアレ2
前の記事の「交差法」は余計に寄り目をする事でしたが、平行法は逆に「離し目」にする事。
といっても真っ直ぐ遠くを見ている時よりもさらに目を外側に離す・・・というのはなかなか難しいものです。
だから、目を外に離すというよりも「目線を遠くに向かって真っ直ぐ並行にする」というイメージ。
そういう状態で上のカードを見ると(パソコン画面の場合大きすぎると思うのでスマホを横にしてみるのがちょうどいいかも、または印刷して作ってね)
視線を並行にすると図が難しいので上の丸は遠くのお星様やお月様のイメージです。
すごく遠くを見るようにすると手前にあるカードがボヤけてダブって見えます。(4枚にみえるかも)
カードの距離などをうまく調節すると内側が重なり合って3枚にみえるようになったら第一段階はクリア!
なんで3枚に見えるかというとこういう事・・・
視線はカードに合っていないので左右でカードが見える場所が違うからなのです。
でもカードはお互いよく似ているのでダブりがうまく重なると3枚あるように見えるというわけ。
でもピントは遠くにあるままなので、カードはボヤけています。
で、その状態をキープしたままカードにピントを合わせるのです。
すると、左右の図形の僅かな差が内側の白い星が引っ込んで見えるような錯覚を起こすのです。
逆に白い星が手前に浮き出して見えるとしたら「交差法」=寄り目になっていますので失敗です。
近視の人はやりやすく、視力自慢さんは難しい
この「平行法」実は視力自慢さんは難しい。(視力自慢さんでも「外斜位」といって、目を閉じリラックスすると目が外向きに開く個性をお持ちの方は平行法がやり易い場合があります。)
逆に近視の方は眼鏡を外すとやりやすい(左右の視力差があまりないなど、個人差はあります)
なぜかと言うと「寄り目とピント合わせは連動しているから」
これを「調節性輻輳」というのですが、ピント合わせをすると寄り目が起きる、寄り目をするとピント合わせが起きる・・・という関係だからです。
つまり手前のカードがボヤけながら3枚にみえる状態が作れても、ピントを手前に持ってくる事で勝手に寄り目が起こってしまい、3枚に見える状態をキープできないからなのです。
ところが、近視の方が眼鏡を外すとどうなるか・・・
近視の人は、遠くはボヤけてても近くにそもそもピントが合っている目です。つまり眼鏡をかけなければピント合わせをしないで近くが見える(程度にもよります)からピント合わせに伴って起きる寄り目が起きない。
つまり3枚に見えたままでカードをハッキリ見る事が簡単にできてしまうんです。
もう一度視力が良い状態(近視なら眼鏡をかけた状態)に話を戻して、それでも「平行法」ができるとしたら、ピント合わせと寄り目の過剰な連動をうまく制御できる・・・つまり視線合わせの余裕がたっぷりある・・・視線合わせが大変楽にできる・・・という事にも繋がるわけです。
視力回復と結びつけられるのは、さっきの調節性輻輳を考えると離し目=ピントを抜くように作用するから、過剰な寄り目はピント合わせも過剰に働く、だから離し目を鍛えることで逆にピントを抜く力も鍛えられるから・・・という理屈につながっているんだと思います。
視力自慢さんが平行法のコツを掴むには?
例えば35cmにカードを持って見るとしたら、カードがボケるギリギリの強さの老眼鏡を掛けます。
するとピント合わせを老眼鏡が肩代わりするので「調節性輻輳」が理論的には起こりません。
その状態で遠くを(当然すっごくボヤけてます)見て、視界の中でカードが3枚に見える状態を作れたら、コツを掴むとカードをハッキリ見る事ができます。
「平行法」の動画を見てみたい場合、パソコンで見ると画面がデカすぎて真っ直ぐ平行以上に目を開かないとできません。
だから左右の画面の中心から中心が、自分の左右の目の間の距離よりも狭くなるように画面の大きさを小さく調節するとやりやすくなります。つまりスマホの方がやりやすい。
ただ見えた立体映像が小さく感じたら「交差法」になっています。成功すると大きく見えます。
というわけで今日のお題。平行法できますかな??
(パソコンだと大きすぎるので小さくして、あるいはスマホ横向きで見てください。ちなみに僕は遠視なので老眼鏡の助けを借りないと全くできません・・・)
交差法、平行法、これを自分の意思でチェンジできる事ができるとしたら・・・あなたは多分眼精疲労とは無縁なんじゃないですか???
そんなふうに視線とピント合わせを自由自在にできちゃう・・・これ、スポーツのパフォーマンスなんかにも繋がってきます。
交差法も平行法もできる。コレが理想です。
でも、あんまり根詰めてやらないでくださいね。立体感を感じるというのは「両眼視」にとって大変高度な部分で、基礎の部分になにか問題があるとしたら、そこを解決しないと快適な視界は得られないからです。
そんなわけで「立体的に見えるアレ」がなんでトレーニングと結びつくのか??と言うお話でした!!
うわ、稀に見る長さですね・・・読んでいただきありがとうございました!!
ではまた!!
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