コントラストとはなんだ?②
随分間が空いてしまいましたが、こんばんは!プラオプ ハセガワです。
「コントラスト」のお話。前回は「境目のハッキリさのことですよ」というお話でした。
今回はそれが視力や眩しさとどう関係があるのか?というお話です。
「ぼやけている=コントラストが低い」と言う事
コントラストが高いと言う事は「境目がハッキリとしている」という事で、ものすごい黒とものすごい白が隣り合わせの時が最もコントラストが高いと言えます。
では、その境目が曖昧であったとしたらどうでしょうか?
上の図もものすごい黒とものすごい白ではあるわけですが、その境目はグラデーションになっています。
一部分だけに注目したら、明暗差が非常に少ない=コントラストが低いわけで、それが連続しているからグラデーションに見える。
つまり、全体的に見てもコントラストは低いと言えます。
色彩のコントラストも同様です。
一部分に注目したら隣同士が非常に似ている=コントラストが低く、それが連続しているわけですから境目が曖昧。これもコントラストは低い状態です。
つまり、コントラストは色や明るさの差だけではなく、境目のクッキリ具合でも変わると言うことです。
さて、近視や遠視の説明でよく目にするピントが合っていない状態を説明した下の図。
ピントが合っていない状態をこれは横から見ているわけですが、前から見たらどうでしょうか?
焦点は真ん中が明るくて外に向かって暗くなるようなグラデーション状になります。境目が曖昧なこのような状態は「コントラストが低い」と言えます。
目は外の景色を目の奥にある網膜というスクリーンに映し出しています。その映し出された映像はすべて非常に小さな光の点の集まりです。
「焦点が合っていない」というのはその光の点一つ一つがぼやけている・・・つまり「コントラストが低い」状態です。
つまり「ピントが合っていない」=「視力が低い」=「コントラストが低い」という事ができるわけです。
ピント合わせとはコントラストの調節
よく目はカメラに例えられますが、カメラはどんな仕組みでピントを合わせているのでしょうか?
オートフォーカス(AF)と呼ばれる自動焦点機能が登場するまでは、撮影者がファインダーという覗き窓に映る映像を見ながらピントリングを回して合わせていました。クルクル回すと段々と被写体がハッキリしてきて、回しすぎるとまたボヤける。そうやってピントの前後の位置を自分の目で確認しながら合わせていたわけです。
今では当たり前のオートフォーカスはどのように作動しているか?
一つは「コントラストAF」といって、人の代わりにカメラが映る映像を解析してコントラストが最大になるポイントをピント合わせ機構を動かしながら探す仕組み。
もう一つは「位相差AF」といって、特別なレンズとセンサーを使ってピントのズレを調べる仕組みで、こちらはピントの位置が前にずれているのか?後ろにずれているのか?どれくらいずれているのか?を直接把握する事ができるものです。(仕組みはググってください)
コントラストAFは特別な機構を使う必要がないのでコンパクトな機器に向いていますがピントの迷いやピント合わせのスピードが遅いという欠点があります。
位相差AFは撮影用の機構とは別に光をAF用の機構にも導くような仕組みになり小型化に不向きですが、ピント合わせがスムーズで素早いという利点があります。
ところが近年は撮影用の機構(イメージセンサー)に位相差AFの機能を組み込ませた仕組みが一般的になり双方の欠点が解消されています。
スマホのあの小さなカメラでさえ位相差AFが組み込まれているというわけです。
技術の進歩はすごいですね・・・
では私たちの目にもオートフォーカス機能が付いているわけですが、どちらの機能が近いかと言えば「コントラストAF」でしょう。
つまり網膜に映る(脳に映し出された)映像で被写体のコントラストが最も高くなる状態を探して動くわけです。
ピントを前にずらした方がいいのか?後ろにずらした方がいいのか?は私たちが「空間の中に実在している」ので物体の前後関係を理解できているから迷う事はありません。
私たち「めっちゃよく見える!!」というのは、言い換えたら「めっちゃコントラスト高い!!」という事なわけです。
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