眼鏡の見え方の「違和感」について考える④
こんばんは!プラオプ ハセガワです。
先回は両目で見たときに起きる違和感について書きましたが、今回はその続きです。
右目だけ、あるいは左目だけで見ているときには別になにも問題ないけど、両目で見たとたんに「見えにくい」「疲れる」・・・なんて問題が起こる事があります。
原因の一つになっているのが「斜位」
瞼を閉じると目はリラックスした方向に向きます。多くの人は外側を向きますが、人によっては内側を向く人や、右は上向き左は下向きなど個人差があります。
そのまま目を開けたら視界はダブッてしまうので、無意識に両目の向きを揃える動きが行われるわけです。
しかし、これが大変に負担になる方がいる場合に、眼鏡でそれを補う事があります。それがいわゆる「プリズム眼鏡」
今日のテーマはその辺です。
プリズムレンズで歪んで見える
パソコン画面に格子を書いてみました。
だいたい真っ直ぐ平らに見えます。
顔を右に、画面の隅に視線を合わせたら・・・
画面は左が手前に、右が奥という風に斜めに視界に映ります。
逆に左の端をみれば・・・
こんな感じ。
「外斜位」といって、外向きの視線を真っ直ぐになるように「寄り目」をしながら見ている方がいて、それをプリズムレンズで整えたらどうなるか?
プリズムレンズは視線合わせ、この場合「寄り目」を助けます。
大雑把に言ってしまえば、寄り目を少なくするので、左右の目は今までに比べて画面を斜めに見るような感じになります。
図にするとこう。
プリズム越しの右目の目が向いている方向は画面の中心より右側、左目は左側を見ているので、それぞれの目が斜めに画面を見ているような感じです。
すると上の写真のように前後方向に斜めに見ているのようになり、それを一つの「像」として「融像(左右を一つにまとめること)」すると・・・
こんな感じに画面の真ん中が手前に膨らんで来るような見え方をします。
(昔のブラウン管テレビみたいな感じ)
逆に視線が内側にいきすぎ(無意識に寄り目になりすぎている)な「内斜位」をプリズムで補うと、これとは逆で・・・
画面の真ん中が奥に引っ込んだような見え方をします。
そしてモノの大きさも変化して見えます。
寄り目を補うプリズムの場合はモノが大きく見えて遠くに感じ、寄りすぎを補うプリズムはモノが小さくみえて近くに感じます。
レンズを通して形が歪む・・・というよりも、立体感をともなった「出っ張ったり」「引っ込んだり」というふうな「違和感」を感じます。
プリズムレンズは両目でモノが見やすく、立体感や距離感を掴みやすくする事を手伝います。
なので、いままでシンドイ思いをしてなんとか掴んでいた「立体感」「距離感」とは異なる信号が脳に届くので、今までのと比較をするからその差を「ちぐはぐな感じ」「しっくり来ない感じ」=違和感と感じてしまうわけです。
上下プリズムの場合は「右上、左下が近くて、左上、右下が遠い・・・」というような、ねじれた感じの違和感が出ます。
プリズムレンズによる「空間の歪み」これは「両目で見ている」という機能が働いていることで起きるものなので、片目を閉じると無くなるものです。
つまり、「両眼視」ができている事の証でもあるのです。
トレーニングのなかには、このような現象を利用するものもあったりするのです。
次回はその「両眼視」の変化によって起こる「違和感」のお話を書こうと思います。
ではでは!
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