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スマホって目に悪いのか?⑤

こんにちは! プラオプ  ハセガワです。

しつこく続くこの連載5回目でございます。

「スマホは近づけすぎて見るな」という事をよく目にしますし耳にします。

でも実はそうじゃなくて「近づかざるを得ない」「近づいて見る事を可能にしている」という、どちらかと言うと「しょうがないじゃない・・・」という理由や仕組みを記事に書いて来ました。

前回はスマホの画面が大変細かいから近づけても映像がとても綺麗なんだってお話でした。

スマホって目に悪いのか?④

今度はとても近い距離で見る事で、目に何が起こるのか?を考えてみます。

大きなピント調節力

1回目の記事で「遠くの物を見た時に1m距離が変わっても目のピント調節力はあんまり変わんないけど、近くのものは10cm変わっただけで物凄くピント調節力が変わる」という事を書きました。

スマホって目に悪いのか?

グラフにするとこんな感じ。

右端は10cmを見た時のピント調節力で「10D」という力を使っています。

これがおおよそ若い時のMAXパワー。年齢と共にそれは徐々に少なくなっていきます。


(近視の人が眼鏡をかけないと近視の分だけピント調節力は少なくてすみ、遠視の場合は遠視の分だけ沢山のピント調節力が必要になります。)

近視とは

遠視とは


そのピント調節も筋肉で動いていますから、ズーッと強い力を使い続ければ疲れて動きが悪くなってしまうでしょう。

MAXの10Dを持っていたとして、15cmでスマホを見たらどうなるか?計算の結果は「約6.7D」

一般的な読書距離と言われる35cmだとどうか?結果は「約2.8D」です。距離に応じてピント調節力は少なくて済むます。

でも15cmスマホはMAXの67%を消費しているのに対し、35cmは28%しか消費しません。

といっても15cmという極端に近い場合の話ですが、近いほど力を使わなければいけないイメージですね。

そんな状態で映画一本2時間を休みなく見続けたら・・・50Kg持てる筋力で2時間33kgのバケツを持ち続ける・・・そんなイメージ?

これはシンドイ!!

近い分だけ疲労につながりやすそうです。

ところが、人の目はいい意味で「良い加減」実はその距離に合わせた完全なピント合わせをしていません。

ちょっとピントが甘くても、まぁハッキリ見えるなぁ程度に抑えているのが「正常」なんです。

このピントの甘さを「調節ラグ」と言います。一般的には40cmを見た時に0.5Dくらい甘いと言われています。

つまり本をよむ35cm位の距離であれば実際には「2.8D」-「ラグ0.5D」=「2.3D」のピント調節力を使っていると言う事です。

15cmのスマホでも実際は「6.7」-「ラグ0.5D」=「6.2D」

ラグのおかげで少し負担が減っているように見えます。

この、「調節ラグ」ちょっと覚えておいてください。次の記事でまた出て来ます。

さてしかし・・・・

極端に近い距離を見続ける事は単にピント調節力だけの話ではありません。実は同じくらいに大切な機能を忘れてはいけません。

両眼で見ると言う事

突然ですがジオン軍が敗れた理由を眼鏡士の視点で考察しますと。ジオンのモビルスーツが「単眼」だったのに対して連邦のモビルスーツは「両眼」だったからではないか?と思います。

ガンダムの世界ではミノフスキー粒子という物がばら撒かれ、レーダーの類が一切使用できません。なのでミサイルなどは使えないので「目視」に頼らないといけないのですが、「単眼」だと正確な距離感や立体感を感じる事ができません。しかし「両眼」だと左右に写る映像の差を利用して立体感や距離感を精度の高い感覚として捉える事ができるのです。

立体感を感じる仕組み

そうした正確な視界が高い機動性につながり圧倒的な性能の差となって勝利につながったのです。(ウソです)

いままで「ピント調節力」の話は片目だけでのお話です。つまりザク

しかし人はガンダムみたいに2つの目を使っています。単に物を「見る」だけではなく暮らしている空間の中で距離や立体感を感じられないとうまく体を動かすことは難しいのです。

だからスマホも両眼で見ます。そして両眼の視線がきちんとスマホに合っていないといけません。

そうでなければ二重に見えてしまうからです。

つまり「寄り目」をしながら見るわけですが、当然近いものほど沢山寄り目をしなければなりません。

「両眼視」つまり両眼で見る事にかかってくる負担がどんな影響を及ぼすか?

次回はその辺を掘り下げて見たいと思います。

いっそのこと「ピント調節力”0”」になる眼鏡をかけたら楽なのか?いやいやそんな簡単なことではないんです・・・

つづく!!

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