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眼鏡のネジのお話③

こんばんは! プラオプ ハセガワです。

さてネジのお話3回目。

前回は腕のパタパタするところ「蝶番」のネジが緩んだり、硬くなってしまうトラブルの原因について考えてみました。

眼鏡のネジのお話②

そもそも、なんでネジなのか?

トラブルが起きるのなら起きない何かにすればいいんじゃないの?って思いませんか?

今日はそんなお話です。

ネジじゃなくちゃダメなのか?

実は色々な工夫をしてネジを使わない「蝶番」を実現した眼鏡は今までたくさん出てきました。

腕がバネとワイヤーで繋がっているものとか、板の組み合わせで折りたためるようにしたものとか、特殊な構造のパーツを超番に埋め込んでいるものとか・・・

構造を解説しだしたらそれだけでものすごい文量になってしまうのでおいておいて、僕も様々な構造の眼鏡を弄ってきましたけど、新しい時はいいんですよ。
「なんか凄くよくできてる感じがする!!」って。

ところが、使い込んでくると部品の摩耗などによって動きも変わってくる・・・しばらくするとグラングランになって来る・・・

場合によってはワイヤーが切れて腕が外れたり、畳んだつもりが自動でピヨン!と腕が広がったり・・・

構造が特殊で複雑な分、メンテナンスが店頭でできないとか、部品を取り寄せたりとかトラブルに対するケアが簡単ではない事が多いのです。

それがネジならば店頭であるいは器用な方ならご自分でキュッと締めたら元どおり・・・

そもそも蝶番の構造に革命が起きていれば、すでにそれに成り代わっているはずですが、特殊な蝶番を使ってデビューしたはずのブランドの新作が普通のネジに変わっていた・・・というようにネジに変わるほどの革新的でスタンダードになり得るアイデアは今のところまだ生まれてはいないようです。

服と違って眼鏡は毎日同じものを掛けるという方が大多数だと思います。

とすると身に着けるものの中では汚れやダメージに毎日さらされているわけで、トラブルは起きないに越したことはないにしても、起きたトラブルに直ぐに対応できるような単純な構造というのは大きなメリットなのかもしれません。

それにネジは規格が決まっていますので基本的にお店には0.2mm刻みの長さ違いをで沢山の種類のネジを常備しています。なので仮にネジの交換が必要であったり、ネジが脱落して無くたってしまったとしても、その場で掛けられるように戻せるわけです。(純正の色付きネジとか、海外の特殊ネジで純正でないとないとイヤ!とい場合は取り寄せる間、仮のネジ留めで対処しておけます。)

ネジにも工夫はしてあります。

とりあえずネジがベターだとして、ネジは何も工夫などをしていないのか?と言われたらそんな事はないのです。

例えば、この2本のネジ。

違いわかりますか?

片方はネジがしっかり最後まで刻まれていますが、もう片方は途中までしか刻まれていません。

これ、実は右がレンズ留め用のネジ。左の中途半端な方が蝶番用のネジです。

右の普通のネジは、締めれば締めるほど、締まって行きます。だから腕が動かなくなるまでガチガチに出来そうな感じ。

対して左のネジは、ある一定のところまで締めたら、それ以上は締まらなくなります。

これでどんな効果が期待できるのかといえば、ネジが緩まないようにガッチリ締めても蝶番の締める力はそれ以上に強くならないという事が狙えそうです。

これならネジが緩まないようにガッチリ締めても腕の動きをスムーズな状態に維持できそうです。

ネジが緩む事だけが原因か?

腕のプランプラン問題、実はネジ緩みだけが原因ではありません。

硬くもなく緩くもなく、シットリとした腕の開閉感。

この感じ。

いつまでも続けばいいばのですが、ネジが緩まなくてもそんなわけにもいきません。

腕を開いたり閉じたりしたら金属同士が擦れ合います。となれば当然摩耗します。

するとネジは緩まなくても、摩耗した分だけ蝶番は薄くなり徐々に開閉感は緩く、スコスコになってきます。

つまりは構造上、腕がパタパタしてしまうのは仕方がないことなのかもしれません。

しかし、ネジの締め加減を少し強める。と言ってもまたほんの1/10回転に満たないわずかな締め加減でそれを元に戻すことができるのです。

ところがさっきのネジの2つの違い、蝶番用の「半ネジ」だと実は上手くないことも・・・

あまりにも新品時に完璧すぎるとどうなるか?

また使う人によって環境や使い方は大きく違います。必要な時に取り出して使うことで何度も腕を開けたり閉じたりする事もあれば、屋外の仕事で汗にや水分に晒される事が多いとか。

蝶番がすり減ってしまうと完璧すぎた半ネジではいくら閉めても腕の開閉感が戻らない事があるのです。

といっても半ネジでもネジの部分には余裕があるのが現実で、締め加減で開閉感を調整する必要があって、結局緩み留めの工夫をお店で行う必要があるのは変わりません。

起きないようにする・・・というよりも、起きちゃう事は仕方ないからチョット手を加えたら簡単に戻る・・・ネジで止まっているからこそです。

腕がパタンパタンしてきたら・・・

早く治しましょう。

ネジが緩んでいたならば、そのまま使い続けると、とうとうネジが抜け落ちて腕が外れ眼鏡が掛けられなくなってしまいます。

まだ掛けられるうちにメンテナンスにお持ちください。

このお話、もうちょっと続きます。

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