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ブルーライトカットとは何だ?④

こんばんは!プラオプ ハセガワです。

「ブルーライト」についての連載4回目。

先回は、「ブルーライトをカットする」つまりブルーライトを通さないとはどういうことか?についてのお話しでした。

ブルーライトカットとは何だ?③

画面のブルーライトをカットする

「ブルーライト」と言うと「パソコン」とか「スマホ」の画面

光の三原色「赤:R」「緑:G」「青:B」で様々な色を表現するのですが「白」を表示させた時、それぞれの色の強さは同じではありません。

それが下のグラフです。

「青」が他より強い、波長でいうと450nmあたりに大きな山があります。

「ブルーライト」といわれる380nm〜500nmの範囲を落とすフィルターをかける

すると・・・

山が小さくなりました!

上の図では大きな山がある「450nm」を20%小さくできました。

こういう効果を狙った「色付きレンズ」または「反射コート」を付けたものがいわゆる「ブルーライトカットレンズ」と言われているものです。

ブルーライトカット率とは?

どれくらいブルーライトをカットしているのか?「カット率」という数字で出していますが、これの意味ってご存知でしょうか?

よく耳にする30%を超えるもの。

これは上のグラフでいうところの最も高い「450nm」の山を30%カットしているわけではありません。

ブルーライトと言われる「380nm〜500nm」の範囲全体をどれくらいカットしているか?という意味。

つまりこういうこと

正確に計算するには大変複雑な計算が必要ですが「Photoshop」を使うと「ピクセル」つまり画像の中の点々の数が数えられるのでそれを使って計算すると、上のイラストではカット率32.4%になります。

さて、お気づきでしょうか?

今や普通のレンズはUVカットが標準装備。400nm以下の紫外線をカットしています。
ところがブルーライトは380nm〜500nm・・・

あれれれれ???

ということはブルーライトカットじゃなくても普通のレンズで380nm〜400nmまでをカットしている・・・となると・・・

普通のレンズでもうすでに15.8%もカットしている事になりますよ・・・

でもこれでは450nmを減らす効果は全くありません。

なのにブルーライトカット率15.8%・・・

これって、ブルーライトのカット率を大きく見せる為にブルーライトを380nm〜と言ってr・・・・

HEVカットとブルーライトカット

紫外線に近いエネルギーを持ち目の奥まで届いて網膜の組織に影響があると言われている可視光線「HEV」

波長でいうと380nm〜420nmの範囲を指してそう言われております。

こんな感じ

これをシッカリとカットするレンズが各社から発売されて普及しております。

「405nm」のレーザー光線を当てると、完全カットする様子を見る事ができます。

ブルーライトカットレンズでは消えないのに、HEVカットレンズだとすっかり消えてしまいます。

これは凄い!!

これをさっきの計算でブルーライトカット率を計算してみると・・・

なんと28.1%!!

ところが・・・

450nmの山をカットできません。それによく見れば、モニター画面から出てくる光に対してはどこもほぼカットしていない・・・全く低減効果が無いように見えます。

つまり「HEVカット」とか「UV420カット」と言われるレンズは、あくまでHEVから目を守る事を目的にしたものであって、パソコン、スマホなどのブルーライトをカットする目的の物とは別のものだという事です。

実際、レンズメーカーの解説をみると、HEVカットレンズはパソコン、スマホとは絡めていません。

そもそもこのグラフが示すようにパソコン、スマホからは「HEV」が出ていないと言えるほどに極めて小さいとも言えます。

目的が「パソコン・スマホのブルーライトカット」だとしたら450nmの山を潰さなければなりません。仮に380nm〜500nmのブルーライト範囲を15%減らすレンズがあったとします。

グラフにするとこんな感じ。

当然赤い「カットされた部分」は15%

数字は小さいですが450nmの部分は確実に15%低減されています。

数字だけでみたら、ブルーライトカットをしていないはずの従来のUV400カットレンズと同等。目的が違うはずのHEVカットレンズの方が「カット率」が大きいという事に・・・

メーカーによってはこの450nm付近の部分の低減率を表示している場合があります。その場合カット率は当然小さく表されるわけですが「目的に対しての効果」を正しく表しているように思います。

そのようにして450nmをきちんと15%減らすレンズのベースになるのは、今や標準になっている「UV400カットレンズ」にブルーライトカット機能を加えるわけですから実際にはこんなイメージのグラフです。

するとカット率は30%になりました。

カット率の表し方の違いだけで、実際の効果はほぼ同じ。むしろ、「パソコン・スマホのブルーライトを低減」する事が目的ならば450nmあたりをどれくらい落とすか?を表示している事の方が重要だと言うことです。


まとめると・・・

  • ブルーライトと言われる領域は「380nm〜500nm」の範囲。
  • その中でも380nm〜400nmの範囲は「UV-A」と言われる領域で、今は標準のレンズで元々カットされている。
  • 380nm〜420nmまでの範囲は「HEV」と言われる範囲で、HEVカットレンズでカットできる。
  • パソコン・スマホなどの画面を意識したブルーライトカットは450nmあたりを中心に380nm〜500nmを全体的に低減する事を目的としている。

「ブルーライトをカットしている」と言っても、そのカット率の数字ではなく、何を目的としているかで意味が異なるという事です。

それぞれが別の目的を持っているのに、全て一律同じ方法で「ブルーライトカット率」を表している事、みんなまとめて「ブルーライト」と呼んでいる事が混乱を招いているように思います。

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