メガネをもっと美しく仕上げる為に②
こんばんは! プラオプ ハセガワです。
前回はプラオプ の「レンズエッジャー」=レンズ削りマシンの紹介と、メガネ作成の一連の流れを書きました。
今回はこの”新・プラオプ 号”=NIDEK社製 LEXCE TREND8で具体的にメガネの仕上がりがどう変わったのか?についてです。
ミニ・ヤゲン
「ヤゲン」というのはレンズがフレームにハマる為に刻まれた山のような部分のこと。
これがフレームの溝にハマって固定されるわけです。
これはどうやって刻まれるかというと・・・。
砥石に三角形の溝が刻まれていてそこでレンズを削るからです。
つまり、この砥石の形に依存するというわけ。
この深さがだいたい0.8mmなので必ずヤゲンの高さは0.8mmに仕上がるわけです。
・・・
というのは過去の話。先代のマシンはそれしかできなかったのです。
ところが新しいマシンはヤゲンの高さを変えられるのです!!
???
だからどうしたって??
下の写真を見てください。
さて、右と左、どっちの度数が強く見えますでしょう?
向かって左のほうがなんとなくレンズの存在感が強いと思いませんか?
ところが上から見ると・・・
実は向かって右の方が厚いレンズが入っているのです。
この差は「ヤゲンの高さ」の差です。
実際レンズを外してみると・・・
右のヤゲンがかなり小さい事がわかります。
実際これは0.5mmです。
つまりレンズの存在感の違いはレンズとフレームの間にみえる白い線の太さが結構影響しているのです。
フレームの溝の深さは金属なのか?樹脂なのか?はたまたメーカーによっても結構ちがいます。
白い線をなるべく見せないようにするには、フレームの溝に合わせた最適なヤゲンをレンズに刻まなければなりません。
これが従来機にはなかった「ミニ・ヤゲン」モード。
砥石の下までレンズを落とすのではなく、浅く削ったら後ろを削る。制御を工夫するだけでヤゲンの高さが変えられる・・・考えた人天才ですね!!
これは手作業では再現できません。機械ならではの利点です。
カスタム・ヤゲン
ヤゲンの大小がコントロールできるだけではありません。ニデックの高級機の特徴はこのやたら深い砥石。
これがすごい。
フレームの形状、特にセルフレームと言われる樹脂製のものは、溝の深さが前と後ろで違ったりします。
単純にヤゲンをレンズに刻んでセルフレームに入れてしまうと、レンズの後ろ側がフレームに当たりフレームを外に広げようとする力が常にかかってしまう。
つまり掛かり具合が直ぐに緩くなってしまう原因になりかねません。
従来は、一回機械で削ったレンズを手で後ろ側を斜めに削り直しておりましたが、これだと表側の高さは砥石の形状に依存してしまいます。
ところが表側と裏側の高さを変えられるとそれが一気に解決します。
これがカスタム・ヤゲン
このやたらと深い砥石で前側と後ろ側を別々に削ることで、こんな細かい事ができてしまいます。
考えた人ホント天才。
さらにスポーツ用メガネのように、内側にレンズが抜けないようになっている特殊断面のフレームにも対応できるようにこんな形状のヤゲンも刻めます。
スポーツサングラスなどのもっと特殊な形状には流石に対応できませんが、それでも「度付きレンズ前提」であるメガネフレームについては、ほぼ全てのフレームにレンズを素直に収めることができるのです。
まだ書きたいことはあるのですが、続きはまた今度!!
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