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「気球が見える機械」とメガネの度数

こんばんは!プラオプ ハセガワです。

3月は急に暖かくなってものすごい勢いで雪が溶けている長岡市です。

今日は事例紹介と、そのままの流れで「例の気球が見える機械」って何をしている機械なのか?・・・たまに質問を受けるのでそれについて書いていきます。

あの機械(というか機能)はオート・レフラクトメーターと申します。

結論から言ってしまいますと、あの機械。目の度数、つまり「近視」とか「遠視」とか「乱視」を測っています。(老視は測りません)

「じゃあ時間をかけてレンズを入れ替えながら行う測定なんてしなくてもいいんじゃないの?」

って思うじゃないですか。

ではこちらをご覧ください。

プラオプには自慢ですが目の度数を測る機械が2台あります。

1台はNIDEK社の「ARK-1a」というオートレフケラトメーターという機械。

そしてもう一台はZEISS社の「iProfiler+」というオートレフ+オートケラト+角膜トポグラファー+波面収差測定器。

それぞれ違う目的の為に必要で装備しているのですが、それぞれに目の度数を測る機能があり、このデータは同じ方をほぼ同じタイミングで測定したものです。

それによると・・・


NIDEK
右:近視度数-6.75 乱視度数-0.62 乱視軸度91度
左:近視度数-7.50 乱視度数-0.12 乱視軸度177度

ZEISS
右:近視度数-7.45 乱視度数-0.82 乱視軸度78度
左:近視度数-9.22 乱視度数-0.21 乱視軸度26度


それなのにこんなに大きく数値が違う。しかもiProfiler+によると瞳孔の大きさによっても度数が異なる・・・

だとしたらこの値のどれを信じたらいいのでしょうか?

機械によって弾き出す数値には機械によって違いが出る(その理由はちゃんとあります)のですから、機械のデータだけで眼鏡を作ったら、お店が何を使っているか?によって全然違う眼鏡が出来上がってしまう事になるでしょう。

ではこの方がどんな度数の眼鏡を作ったのか?

右:近視度数-5.75 乱視度数-0.75 乱視軸度80度
左:近視度数-5.50

機械のデータと比較すると随分と弱い度数に見えます。これでは遠くの視力は期待できないと思いますか?

ところがこれで5m先の視力表で1.0は確実。1.2を少しかすり左右の視力差もほとんどありません。

今までメガネやコンタクトで強い疲労感を感じておられましたが、上記の度数で見えるけど疲れる感じがしないと感じたようです。

もしかしたらこの方の場合には、強めにでてしまう機械の数値をかなり参考にして度数を決定されていたのかもしれません。しかし、その時の様子がわかるわけではありませんから断言はできません。

じゃあ、この「オートレフラクトメーター」と呼ばれる目の度数を測る機械は信用できないのか?だったらそれを使う意味ってどうなの?

いえいえ、僕は実はこの機械「かなり正確である」と思っています。しかしこの「正確」とは何を指して「正確」なのか?という事なのです。決して「機械のデータで作るメガネが正しい」と言っているわけではありません。

僕が言いたのは実際に行う測定で出した値と機械の測定値に「なぜその差がでるのか?」という所に大きな意味があって、その方の目の特性を知る一つの大きな手がかりになる。という事なのです。

次回はその辺を書きたいと思います。

「オートレフラクトメーターとは」

連載にします。

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