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レンズの品質ってなんだろう②

こんばんは!プラオプ ハセガワです。

先回はレンズの周辺を斜めに見たら起きてしまう「乱視」のような見え方「非点収差」という物を簡単に書きました。

ようはその「非点収差」を打ち消すような逆の収差をあらかじめ入れることでキレイに見える範囲を広げましょう!ということです。

でも個人個人で度数が違う・・・

たとえばこれ、下の□一つ一つがこのレンズが製作できる度数を表しているので、□の数分だけ度数の種類があるということです。

この一個一個に最適なレンズの形を編み出してしまえばいいわけです。

ですがそうは簡単ではないのです・・・。

2種類の製法「モールド製法」

レンズを作るのに大きく2つの方法があります。

1つは「研磨」

要するに削って磨く事。

もう一つは「モールド」

あらかじめ用意した型にレンズの素材を流し込み、固める方法。

「モールド」よりも「研磨」のほうがイメージしやすいのではないでしょうか?

しかし「研磨」には時間がかかりますし大量生産には向きません。

対して「モールド」はいっぺんに沢山のレンズを作る事が出来ます。

お求めやすいレンズは基本「モールド」製法です。

上の図はかなり簡単な解説ですが、「型」は初めから「非球面」の形になっていて、しかも高精度に磨かれているため、熱で固まったプラスチックは型から外せばキレイな面のついたレンズの形をしているので磨かなくてもいいわけです。

熱歪みなどを取り除く工程などがあって、温度が常温になったときに狙った精度になるように設計された高精度の面の「型」は大変緻密なものです。

それを沢山用意して一気に大量のレンズを作ってしまえる・・・というわけですが製作できる全ての度数にあわせて一個一個を大量に用意してゆくというのは難しいので・・・

型の組み合わせで様々な度数に対応するというわけです。

「非球面」という研磨では難しい形も、型が初めから「非球面」ならば出来上がるレンズも「非球面」というなんとも効率のよい製法ですね。

組み合わせによって度数を作るのである一定の度数の範囲の表面はAの型を、その次の範囲はBの型を・・・というように使うのですが、どうでしょう?「全てのレンズに最も優れた形なのだろうか?」ということに気が付きましたか?

そうなんです。

青いところが性能がいい度数、赤い部分の度数は性能が鈍ってしまう。

たまたま型の性能がバシッとはまるところだと素晴らしい光学性能のレンズになるかもしれないけど、型と型が切り替わる部分は性能がおちてしまう・・・

といっても問題の無いレベルではあるわけですが「最大公約数」的な設計になってしまうというわけですね。

「非球面レンズ」といっても様々で、お求めやすい一般的な「非球面レンズ」は表面のみ「非球面」の形になっています。

つまり、難しい形である「非球面」形状を表の型にあらかじめ施し、それを様々な度数で使いまわす事で大量、安価に作れるのです。

一個一個の度数を最適な形で作るには、「モールド製法」では限界がありそうです。

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