【事例紹介】斜位が近視を呼ぶ

こんばんは!プラオプハセガワです。

今日は平成最期の営業日。

そんな時代の節目に人生の節目を迎えられるT様の事例です。

以前、VioRouのErikoをご覧になられ、今回そちらでオーダーを頂きました。(写真は色違いです。)

お伺いすると眼が疲れるとの事。

お仕事柄、近くを見る事が多くパソコン作業などでそれを感じるそうです。

お調べすると、今までのメガネで遠くが大変よく見えていました。

近視をお持ちのT様ですが、じゃあ単に度数を弱めたらラクになるのか?

いえいえ、事はそんなに単純ではございませんでした。

「オートレフ」いわゆるコンピューター検眼器での度数を見る限りでは今のメガネは近視はピッタリだけど乱視が足りないよ!という結果が・・・。

でも、今のメガネでの視力測定ではその結果から考えられる以上の視力が出ている・・・。

視力測定での返答の仕方、つまり読みやすい文字と読みにくい文字がある事で、おおよそ乱視の存在と強さは予測できるのですが、それもない・・・。

つまり、メガネは作業環境に合っている合っていないは別として、ソコソコ合っているのではないか?と思ったわけです。ただちょっと左右のバランスに差があるのが気になりますが。

こういう場合、特に慎重に測定しなければなりませんが、片目ずつで度数を測ると微妙な乱視はあるものの、度数の強さは大体あっている・・・。

ところがT様には「外斜位」つまり、眼を閉じ、リラックスすると眼が外方向に開く個性をお持ちでした。だからといってそれは別に特別なことではありません。10人いたら8人は外斜位です。

近くを見るときには視線をより内側に寄せなければ一つに物を見る事ができないわけですが、T様はその辺にシンドさがある事が予備検査で把握できていたのですが、この辺が「近視の度数」にも影響をしているのでした。

外斜位の測定をして、負担になっている部分をポラテストであぶりだし、それをプリズムレンズで補い、さらに両目を開けたまま度数を測定してみます。

すると近視の度数が2段階弱くなり、かつ視力が向上したのです。

予想できる事は「視線が外を向きやすい」→「視線を合わせようとする」→「視線合わせと連動した余計なピント合わせが起きる」→「余計なピント合わせをした分遠くがぼやける」→「その分だけ近視の度数を強めて補う」・・・

これは景色がダブるのを避けるため、「調節性輻輳」という仕組みを無意識に本来の目的とは違う使い方をしてるという事です。

その辺については以前「輻輳不全」という記事に動画付きで書いたので詳しくはコチラを・・・

輻輳不全とは

そのようにして合わせた可能性があるメガネをかけ続けていた事で余計に強めてしまった近視の度数分だけ手元を見るピント合わせにも余計に負担がかかってしまっている・・・という状態だったことが予想できます。

では、この余計な近視を弱めた度数で作れば解決なのか?

いえ、これは近くを見たときにより大きな負担を掛ける可能性があるのです。

つまり、余計なピント合わせを解除してしまったが為に、「ピント合わせが少なくなる」→「それに伴って起きる自動的な寄り目が減る」→「ピントを合わせれば文字がブレ、ブレを無くすようにすればピントが合わない・・・」というジレンマを生んでしまうのです。

つまり、より「輻輳不全」の影響を強めてしまいかねません。

だからといって近視の度数を本来の度数より強めてしまえば、ピント合わせそのものに負担を掛ける事になってしまいます。

これは度数調整だけでなんとかなる状態ではありません。

そんなわけで今回はプリズム度数を組み込みそれに対処しました。

つまり、ピント合わせまで動かしてしまう外斜位の分だけプリズムで補う事で、視線もピントも合わせやすい状態にするということです。

これによって両目で見ることに負担が減り、精密な立体感が感じられるようになり、細かい手元の文字もはっきりと見えるようになりました。

装用試験では気温が寒かったので着ておられたセーターの編みこみを見て「デコボコしている!!」と驚いておられました。

これは両目の視線がきちんと見たいモノにたいして揃っている事によって生まれる感覚なので、効果が現れている証ですね。

ちょっと話は変わりますが、度数を合わせると「違和感」を感じることがありますが、これは左右の見え方のバランスが整ったり、左右の視線合わせが上手く出来るようになる事によって生まれる正確な距離感が、アヤフヤだった今までとの対比で「違和感」として感じてしまうということが結構あります。

つまり、「正しくなった」事が「今までとの差」にばかり注意がいって不安になるのです。

だから眼鏡合わせには、見え方の変化を具体的にイメージしてそれを的確に説明できるスキルがいるのです。

今回のT様はまさにそれで、今まで平坦だった当たり前の世界が急に立体感を伴ったものに変化しました。それによる「違和感」は当然あるものですが、それは本来感じなければならない感覚ですから、その変化を一つ一つ説明してみていただき感じていただく事ができなければ「ただの違和感」として「不安」の種になるわけです。

しかし問題の解決は「脳を含めた眼が求める見え方を作る」こと。それがスムーズにいかないから疲れちゃうので、スムーズになるように考えた眼鏡にしなければなりません。

今回は「外斜位」という眼の個性が基本的にあり、それが様々な問題を引き起こしていたので炙り出した負担の分だけ眼鏡で助ける事にしました。

先日出来上がってお渡ししたのですが・・・。

度数が弱くなったのに「よく見える!!」「立体感がある」「近くがラクに良く見える」「視線を移しても直ぐにピントが合う」

そして、帰り際、暗くなった外をみて「明るい!!」と仰っていただけました!

使ったレンズがツァイスのフリーフォームレンズだったので特にその効果を感じられたのではないか?と思います。

昨日が挙式ということなので、今はT様ご夫婦なのかな?

VioRouのErikoがとても優しい印象を作って凄く素敵に似合ってますね!

可愛らしい奥様ととても素敵な写真をいただきました!

T様ありがとうございました!

そしておめでとうございます!!

新しい時代の幕開けに素敵なお話を聞く事ができました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です