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レンズの品質ってなんだろう⑥

こんばんは!プラオプ ハセガワです。

実は終わっていなかったこの連載。

前回までは、いかに正確な光学設計を実現するか?について書いきました。

前回の記事はコチラ

今回は表面のコーティングによる違いです。

レンズの表面に施されたナノテクノロジー

レンズにコーティングがしてある。

それを知っている人は少ないかも知れません。

眼鏡のレンズもいわば透明な板です。つまり窓ガラスと同じようなもので、窓ガラスは光を変に曲げないようにより真っ直ぐ平らを目指しているのに対して、レンズといわれるものは意図的に光を曲げるという事の違いです。

さて下の写真を見てください。

窓を開け放って、見える景色を撮影してみました。

とてもおいしいお店があるのですが、よーくみえます。

さて、窓を閉じてみましょう。

写真の明るさは同じ位にしてあります。向こうに見える看板の明るさはちょっと暗いかな?。

しかしどうでしょう?

まるで鏡のようにお店の中がよーく映っております。透明感がありません。

つまり、もしただプラスチック、あるいはガラスを磨いただけのレンズだったら、表面はギラギラ反射してしまうわけです。そうすると眼鏡にしたら自分の目が反射して映ったり、後ろから来た光を反射したりして上の写真のように「透明感」が無くなってしまうわけです。

光は違う物質に入ったときに、その表面で進行方向を変えたり反射をしたりします。空気という物質の中を進んできた光が透明な物質に入るとき、その表面で進行方向を変え、一部は反射してしまうのです。

だから水面がギラギラしたり、ガラスが反射したりするのです。

これは眼鏡としてはあまりよろしくはありません。

そこにレンズの存在を感じさせないのが目標なのですから、まるで何も無いかのように透明であってほしいものです。

そこで、レンズの表面には光の波レベルの超薄い別の素材の幕を張る事でそれを防ぐ工夫がされています。

昔の記事の使い回しですが・・・

しかし、光というのは色によって波長、つまり波の周期、波の間隔が違います。

なので全ての光の反射を打ち消すためには様々な厚みで様々な異なる物質を何層にも重ねなければならないのです。

そして光は正面からだけではありません。斜めにも入ってくるので、ピンポイントの用途で使われるようなレンズよりも、眼鏡のレンズのほうがより難しい事を要求されているのです。

このコーティング。写真をやっているかたならご存知かもしれません「AR(アンチ・リフレクション)コート」とか「反射防止コート」「マルチ(多層膜)コート」なんて呼ばれてます。

使われている素材はフッ化マグネシウムとか酸化チタンとか二酸化ジルコニウムとか酸化アルミニウムとか二酸化ケイ素とか・・・

あなたが掛けている眼鏡は何色に反射していますか?

よく見るのが「緑色」の反射ですが、(ブルーライトカットは青い事が多い)コレは反射を消しきれなかった色が見えているのです。

つまり、反射がなければ無いほどレンズとしては良いわけで、それをどれ位のレベルで達成しているか?がレンズの透明感そして明るさに繋がるのです。

僕がツァイス推しなのはこの明るさの違いに感激したからです。

薄紫色の反射色で世界一の透明度を誇る低反射「ピュアコート」

お客様の多くが「明るい!」と仰います。

確かに運転していると光の粒がとてもシャープに見えるように感じます。

どうしても起きてしまう消しきれない反射を、人が特に感じる「黄色」い光に近い緑色よりも青紫色にシフトする事で、より反射が目立たなくなり見た目もとても透明感のある仕上がりにもなります。

そんな風に、たった一枚の透明な板で快適な視界を実現する為に、そこには物凄い技術や英知が詰まっている・・・

そんな風に思ったら、今日も眼鏡をキレイに洗おうと思うハセガワでした。

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