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眼鏡屋さんの修行

こんばんは! プラオプ  ハセガワです。

先日、偏光レンズをギリギリまで削る・・・みたいな記事を書きましたが、手でレンズを削る。

偏光サングラスの性能を出し切りたい!

今だと体に染みついていて何にも考えなくてもシュルシュル削れるようになっていますが、そういえば眼鏡屋さんになりたての時は朝から晩までひたすらレンズを削っていた、そんな時もあったなぁと思い返しておりました。

眼鏡店で行われる事は、基本的に「眼鏡を作る事」につながる事なわけですが(一部眼鏡を作らないためにやる事もありますが)レンズをフレームに収めるという「加工」といわれる技術は眼鏡士の基本中の基本なのかもしれません。

今は「加工機」が良くなって、フレームの形を機械がなぞって読み取り、その形にピッタリにレンズを自動で削ってくれます。

もちろん機械にどのように削らせるか?をよーく考えて、下準備をして命令を与えなければなりませんから、単にボタンをポチッと押すだけではなく、その辺に理論やノウハウ、テクニックが必要です。

だけど、レンズの大きさや形の微妙な調整をしなければ高精度な眼鏡にはならないので「人の手」による技術はとても大事。

だから新人の時は「こんなの機械がやるのにどうして?」と思う事が、専門家として色々なことが分かれば分かるほど大変大事なんだという事を身に染みて感じるようになるのです。

これはどんな職種であろうと言える事ですね。

レンズを手で削る。

大事なポイントはたくさんあって・・・

・すべての場所が同じ角度で(90°〜110°)削れる
・面が出ている(削った所はピッタリ平面)
・稜線(前の面と後ろの面の境界)がガタガタせずレンズの形にそって真っ直ぐ
・前後の比率は7:3〜6:4
・形が崩れずにそのまま小さくなる

という事ができないといけません。

まず最初はフレームに合わせて削っていない丸いレンズを削る「丸摺り」という練習から始めて、最後は機械を一切使わずに手だけで形を合わせる「形合わせ」を目指します。

ただ形がピッタリであればいいわけではありません。レンズの締め付けがない状態でもダメ。

「光学中心」と言われるレンズの中心が、設定した通りになっているか?乱視の軸度(乱視には角度があります)が設定通りになっているか?

つまり「眼鏡として正確」でなければ不合格です。

今、そんなふうにして眼鏡は作りません。フレームが多種多様、レンズも多種多様なので機械でなければ出来ない事も多いですからね。(だから最新の機械はすごくいいんですよ・・・)

でも、精度を求めた最後の仕上げをする時に、そんなふうに修行して体に染みついてしまった「感覚」が役に立つのです。

あと、逆に機械に出来ない事にも対応できちゃったりするんです。

そういえば、最近丸摺りしてないな・・・と思ってシュルシュルしてみました。

修行時代はガラスのレンズを使ってやってたので、慣れない時は手を切ってしまったり・・・そんな僕の手にはタコができています。

たまにやってみると面白いもんですね。
修行はもっと厚いレンズで500円玉くらいの大きさになるまで削ります。
大きさが変わると砥石に当たる角度が変わるので持ち方を変えながらでないと、狙い通りにはなりません。

そんなわけで、どんな事にも「基本は大事」

疑問に思ったらそれが何につながるのかを先輩に聞いてみるといいですよ。

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