眼鏡のネジのお話②
こんばんは! プラオプ ハセガワです。
昨日に続いてネジのお話。
昨日は眼鏡のネジ、そのもののお話でした。
今日はネジのトラブルのお話です。
なんでネジが緩むのか?
眼鏡の腕のパタパタするところ。
そもそも顔に掛ける為のものに腕が畳める仕組みなど、無くてもそれは果たせます。
でも、必要ない時にはコンパクトに持ち運びができたり、引き出しにしまったり出来なと不便です。
なので基本的にみんな腕がパタパタしている構造が普通です。
でも、それは「ネジが緩んでグラングランになる」とか「ネジが抜けて腕が取れた!」なんてトラブルの原因にもなってしまうのです。
では、なんで「ネジが緩んでしまうのか?」
ここからは僕の私見ですのであしからず。
それは「完全に締めていないから」
ネジって基本的には何かと何かをシッカリとくっ付ける為に使うと思います。つまり眼鏡の腕を本来のネジの役割として締め付けたら腕は動かなくなってしまうでしょう。
これでは腕の折りたたみがうまくできません。
なので、腕の動き加減が丁度いい感じでの締め付けに留めているわけです。
そして、パタパタするところ「蝶番」といいますが、その構造からして腕とネジはくっ付いてはいませんが触っていますので、腕を開いたり閉じたりする動きはネジを回すように作用するわけです。
締める方向はより強い力で締めなければいけないので、今以上にキツく締まるということは起きにくいでしょう。
だとすればネジは緩んでしまう方向で変化が起きやすいと言えます。
だからといって緩んでいいわけではありませんので、眼鏡を作る工場もある程度のシッカリ締める力をかけて丁度いい加減になるような寸法で作ったり、僕たちも眼鏡をお渡しする前に「緩み留め」という専用に作られた接着剤のようなものをネジに付けてから締めることでそういったトラブルがなるべく起きないようにしています。
なんで腕の動きがキツくなるのか?
今度は逆に腕の動きが硬くなり、畳めなくなってしまうケースについて。
これは腕を動かすことでネジがより締まっていく・・・というのは考えにくいです。
ネジというよりも「蝶番が固まってしまっている」というのがトラブルの原因です。
汗などの水分が毛細管現象で蝶番の隙間に染み込みます。塩分などのミネラルがそこで固まり、蝶番の動きを悪くします。
または、蝶番の隙間の金属が変質してしまう。簡単に言ってしまえば錆びる事で固まって動かなくなってしまうと言う事が起きます。
「チタンフレームって錆びないんじゃないの?」と疑問に思うかもしれません。
確かにチタンは錆ません。(何でかと言えば初めから錆びているから)しかし、チタンという金属は滑りにくい金属でイメージとしては「ザラザラ」している感じ。なので擦り合わせるような動きを繰り返すとすぐにすり減ってしまうのです。
そのために、大変薄い板(ワッシャー)を蝶番の間に挟みこんであるのですが、それが錆びて固まる事があります。
(逆にワッシャーが錆びて無くなり、グラグラになることが腕がグラングランになる原因になっている事もありますが、この場合原因はネジの緩みではありません)
さらに、眼鏡のネジは「ステンレス」が一般的です。
ステンレスは「ステンレス・スチール」というように錆びないように混ぜ物をした「鉄」です。
錆びないとは言っても、塩分にさらされると錆びちゃうんです。
なのでネジが中で錆び付いて固まってしまうことが原因・・・という事もあります。
そんなわけで、今日は蝶番のネジの緩み。そして逆に硬くなる原因についてのお話でした。
次回は「じゃあなんでネジを使うの?」という事を書こうと思います。
トラブルが起きるんならネジじゃない他の方法があるんじゃない??って思うのは当然ですよね。
おしまい!!
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