【事例紹介】凸レンズを薄くする③
こんばんは! プラオプ ハセガワです。
凸レンズを薄くする方法について、前回は限界突破の「スライス加工」のお話でした。
最終回の今日は、遠近両用などのように度数が変わるレンズ「累進屈折力レンズ」で行われる加工です。
アレジェプリズム加工
これは、遠近両用などの度数が変わるレンズ「累進レンズ」の場合に自動で行われるものです。
凸レンズの遠近両用の場合、手元を見る下方向に向かって凸具合が大きくなってゆきます。
普通にそうやってレンズを作ると、レンズの上側がものすごく厚くなってしまう事があるのですが、これもフレームの形がわかっていたらいらない部分をスパッと落としてしまう事が可能なのです。
視線が下向きに動く「プリズム度数」が自動で入るのですが、左右とも同じ量で入るので、視線ズレを補うような作用は起きません。
これはもう30年位前から行われている技術ではあるのですが、これも先回の記事で書いたスライス加工のように、フレームの形をあらかじめ取り込む事でちょうど良い具合に作れるのです。
これは凸レンズだけではなく、弱めの凹レンズでも行われます。
事例紹介
これまで説明してきました凸レンズを薄くする方法の全てを組み合わせた作例を紹介しましょう。
フチなし眼鏡のレンズ入れ替えを承りました。
度数は・・・
右:遠視度数凸0.75 乱視度数 -1.00 乱視軸度105° 遠近変化量3.00
左:遠視度数凸1.50 乱視度数 -1.00 乱視軸度90° 遠近変化量3.00
という度数。
今まで入っていた度数が・・・
右:遠視度数凸1.00 乱視度数 -0.25 乱視軸度160° 遠近変化量3.00
左:遠視度数凸2.00 乱視度数 -0.75 乱視軸度107° 遠近変化量3.00
両方ともレンズの素材は今では普通になってしまった感がある薄型1.60素材です。
おそらく今までのレンズは薄くなる加工はされていなかったようです。
さてその効果は・・・
前側が今までのレンズ。組み込んであるのが新しいレンズです。
うん全然違う。
今回のレンズは「スライス加工」を指定し、縁無しメガネとしての強度がきちんと確保できるギリギリの薄さまでメーカーが計算して仕上げたものです。
これをプラオプ でメガネの形にレンズをカットし、穴あけ加工をして組み立てています。
厚みは約半分ですね・・・
もし仮に「スライス加工」も「外径指定」もしなかったら・・・
左は最も薄いところで2.7mm 重さは7.1g・・・
対して「スライス加工」の効果は薄いところで1.4mm 重さは4.1g・・・
縁無しなのになんだかズッシリ重かったメガネがフワフワになりました!!
効果絶大ですね・・・
お子様の特に弱視治療用メガネは凸レンズが多いです。
ご年配の方の眼鏡は遠視+乱視が多いです。
プラオプ ではこのように必要なレンズの大きさを計算したり、スライス加工を組み合わせたりすることでなるべく薄く、軽くなる眼鏡に仕上げております。
以上!凸レンズを薄くするための工夫のお話でした!
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