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レンズの渦のお話①

こんばんは プラオプ ハセガワです。

近視の度数が強い眼鏡をかけた時に気になることって何でしょう?

・目が小さく写る
・輪郭線がズレる
・レンズの渦巻き

「レンズが厚い」「レンズを薄くしたい」というご希望の本音は、実は上の気になる事がレンズを薄くしたら解決するから・・・という事のように思うのです。

本当に気になっているのは鏡で見た自分のメガネ姿であって、仮にペラペラになるレンズがあったとしても、結局上であげた気になる点がそのままであったら満足感は小さいはずです。

逆にレンズが厚くても掛けた印象に変化が起きない眼鏡があったらそっちを選ぶんじゃないでしょうか?

ですが今のところ、完全に見た目が変化しないレンズは残念ながらありません。そして、どんなに薄型と言われるレンズであっても、そこに入っている度数(光を曲げる強さ)は同じなので、最高に薄型と言われるレンズを使っても気になる点はあまり変化がないのが現実です。

実は「目が小さく写る」と「輪郭線のズレ」はフレーム選びの方が重要で効果が大きいのは、プラオプブログでも事例紹介で何度かご紹介した通りです。

今日は残った「レンズが渦巻き」について掘り下げてみましょう。

渦の原因はレンズ内の反射

藤子不二雄の漫画にでてくる、受験生のお兄さんがグルグル眼鏡をかけている。ってピンとこないかな・・・。

メガネの度を表現するのに渦を書き込んでいるのをよく目にします。

実際にメガネを斜めから見ると見えることがありますが、その原因はレンズのコバ(レンズの端っこ)が正面から見えるからです。

だけどこれだけでは渦っぽくはなりません。

じゃあ何が原因なのか?というと「反射」です。

光は透明な物体の境目、例えば「水と空気」や「ガラスと空気」の境目でクキンと曲がったり(屈折)、跳ね返ったり(反射)します。

レンズの「コバ」がレンズの裏面に鏡のように反射してみえるので、渦っぽくなります。

しかし、今のレンズは反射が大変小さいので、実際これくらいなら「渦!!」というほどにはなりません。

厄介なのは光が全て跳ね返る「全反射」と呼ばれる現象です。

その前に屈折のお話を・・・。

なぜか?というと「全反射」と光が曲がる「屈折」は同じ現象で説明できる場合があるからです。

改めて屈折とは、光を通す物体の境目で光が曲がる現象で「水」と「空気」などはよく目にしますが、メガネの場合は「レンズ」と「空気」の境目で起こります。

この光の曲がり具合は物質によって異なるのですが、それが「屈折率」であり、その物質固有のものです。

上の図のAとBの比率は、光が入る角度を変えても変わりません。

なので角度をどんどん変えていくと、いずれは・・・

光の屈折はとうとう水面と同じ角度になり、遂には境目で全て跳ね返ってしまうのです。

これが「全反射」

水中から真上をみたら空が見えるけど、斜めに見たらギラギラと反射して空は見えないそんな現象を知っている方も多いのではないでしょうか?

そんなことがレンズの中でも起こっているのです。

ちなみに光ファイバーは細いガラスの繊維の中を全反射を繰り返しながら進むことで遠い距離まで光が届く仕組みです。

話が逸れそうになっているところをヨッコラショと戻しまして。レンズの渦はこの全反射によってコバが完全に反射してみえるので目立ってしまうのです。

これだけでは収まらなくて、もっと斜めにすると今度はレンズの前面に反射した「コバ」がまた裏面に反射する・・・というレンズの内部で反射を繰り返してしまうようになるのです。

斜めにすればするほどこれが繰り返し起きるので、レンズに渦が巻いているように見えるというわけです。

レンズが厚いと「コバ」の面積は大きくなるので渦になりやすいのですが、屈折率が大きい、いわゆる「薄型レンズ」の方が、全反射がわりと小さな角度で起きるので渦が起きやすい(といっても僅かな差ですが)という・・・。


今日はレンズの渦の原因を解説しましたが「じゃあそれを目立たせなくするにはどうしたらいいの?」というのが次回のお話。

つづく!!

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