Q&A

  1. HOME
  2. コラム
  3. 眼鏡の見え方の「違和感」について考える⑨

眼鏡の見え方の「違和感」について考える⑨

こんばんは! プラオプ ハセガワです。

眼鏡の見え方の「違和感」について考えたシリーズ、今回が最終回です。

どんなに正確な眼鏡になったとしても、どんなにお困り事を解決できる眼鏡であったとしても、多かれ少なかれ「違和感」はつき物です。

「なんとなくしっくりこない」「ちぐはぐに感じる」

それは比較対象があって感じるもので、それは「今まで」と「これから」の対比と言えるかもしれません。

能力が気持ちよくストレスなく発揮される状態。

それが一体どういう状態なのか?

なにかしら問題がある状態にありそれがとてもツライとして、そこから解放されたいと願うとしても、じゃあ解放された全く問題の無い状態とは一体どういう状態の事なのか?

それを理解できるのは、元々良好な状態だったのが不良に変化した経験があり、元に戻したいと願うからではないでしょうか?

だとしたら体の組織の微妙なズレ、おかれた環境の違いなど、もともとのベースがあまり良い状態ではなく「良好な状態」というものを知ることが無かったとしたら当たり前だったいままで」「とても快適なこれから」に変化するとしても、それは「違和感」の原因となるはずです。

本来備わっている能力が何らかの原因で発揮できずにいる。たとえば初めから詰まっていた水道管に物凄く高い圧力を加えてやっと水がチョロチョロ出ている状態しか知らなかった。

原因が解決され突然能力が発揮できるようになったとしたら・・・。

まるで詰まりが突然無くなって凄い勢いで大量の水が流れるようになった状態。驚きを通り越し事故や災害を起こすくらいの影響をあたえるかもしれない・・・。

それを処理するには、どれくらいの水が流れ出るのかを把握し、適切な設備を構築して最適な場所まで正しく流れ出るような大工事をしなければなりません。

しかしそれには時間がかかります。

つまり、本来備わっている能力が発揮できるように問題が解決されたとしても、それを受け入れて自分のものとして自然に扱えるようになるためには時間がかかる。

ただし、工事が完了すれば土地が潤い新しい恵を得られるかのように、能力が気持ちよくストレス無く発揮されるようになるわけです。

ようするに

なにが言いたいかといえば「慣れ」

突然違和感のないまま快適な視界が眼鏡を通して現れるわけでは無い場合があると言う事です。

違和感の少なさは問題の大きさと反比例の関係にあるようです。

問題が大きいと問題解決による快適さが大きく上回り、違和感があったとしても掛けていたほうが快適なので掛けつづける。それはつまり慣れを促進する事に繋がるでしょう。

しかし問題が軽い、あるいは感じていないとしたらどうでしょうか?

違和感の方が上回ってしまい、それは結局慣れられない・・・という事につながってしまいそうです。

例を挙げれば、年配の近視の方が近くを見る時に眼鏡を外すと言う場合の遠近両用メガネ。いくら掛け外しをしなくてもいいという便利さがあったとしても、「歪む視界」「下がボケる視界」「外したほうが広く新聞が見える」というような違和感よりも「単に便利」という事が上回る事が難しいから慣れられない・・・

遠視の方で視力が良い、でも夕方になると疲れるという場合。いくら遠視が諸悪の根源だとしても、よく見えているのに鼻に眼鏡の重量がかかり、視界に縁取りができる、しかも外すと遠視の悪さがドワッと現れるというような違和感のほうが「疲れ」の解決よりも上回ってしまう・・・

これはよくあるし耳にする事です。

しかし近視の例では完全に慣れることができたとしたら「掛けは外し」の余計な動作は減り、仕事や趣味の効率向上、また慢性的な疲労感の低減、そして何より「遠くと近くを同時に見る事が出来る」という何気ない人間らしさを道具の力をかりるにしても維持していくことが可能になるし、遠視の例でいけば慢性的な疲れからの解放、集中力の向上、頭痛の減少、肩こりの減少、心の安定などに繋がることも期待できる(解決するとは言い切りません)かもしれないのです。

ここにいたるにはやはり「時間」が必要なのです。

僕たちに必要なスキルは「眼鏡を正しく合わせる」だけで全く足りないかもしれません。なぜなら「どんなに眼鏡が正しくても、使われなければ意味をなさない」からと思うからです。

大切な事は使う御本人が「問題は何か」「それを解決する為の方法があること」を理解して、高いモチベーションを持っていただくこと。どんなメリットがありデメリットがあるのかを理解いただいて「使ってみよう!」という気持ちになっていただく事なんだと思います。

そして単に「慣れてください」というのではなくゴールに向かって段階的に進んでゆくような工夫も必要なんだと思います。

眼鏡の慣れについて9回にわたって書き続けた連載もこれでおしまいです。

それではまた!

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

カテゴリー

アーカイブ