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レイアウトとは⑦ー測定:前編ー

こんばんは!プラオプ ハセガワです。

さて、レイアウトのお話を連載しておりますが前回は「遠近両用レンズ」についてでした。

レイアウトとは⑥ー遠近両用レンズー

「傾斜角度」「頂点間距離」「反り角度」がどのようになっているか?を調べなければいけないわけですが、今日はそれをどのように計測するのか?というお話です。

その前に「反り角度」について説明しておきます。

「反り角度」とは

簡単に言えば、上からメガネを眺めた時に顔に沿うような角度の事を言います。

例えばこの写真の下側は普通のメガネ。左右のレンズがだいたい真っ直ぐ前を向いています。

対して上側は「スポーツサングラス」顔に沿うように大きく湾曲しています。

今までの記事で、レンズは視線に対して斜めになると度数が変わるよ!と書いてきたわけですが、この「反り角度」によっても度数は当然変化します。

ですが、反り角度があった方が横方向の視界を大きく取ることができたりしますので、反り角度がない状態というのはあまり見ません。

サングラスじゃない眼鏡は基本的に3°〜6°位の角度がついているものです。

そもそもレンズが真っ直ぐ目に対して掛かるようにセットすると反り角度は付くものでもあるのです。

専用の機器を使って測定する

「傾斜角度」「頂点間距離」「反り角度」というフィッティングパラメータを測定するための機器があります。

その多くがフィッティングが終わったメガネに専用のゲージを取り付け、それを機械で撮影し、分析するものです。

プラオプにはipadを利用した簡易版の「ZEISS iTerminal mobile」というものがございます。

このようにゲージに付けられたマークを機械が読み込んで、測定します。

このようなゲージを取り付けるタイプの仕組みでは、傾斜角度と瞳の位置を同時に測定しています。

実際のところ「頂点間距離」と「反り角度」は頭や姿勢がどう変化しても不変です。

しかし「傾斜角度」だけは顔の前後の傾きによって変化しますし、視線がレンズを通る位置=フィッティングポイントもそれに伴って変わってしまいます。

つまり、傾斜角度と目の位置は同時に測定しないと意味がないのです。

真正面で目の位置を取ってから横から角度を測定しても、その間に顔の角度は変わってしまうでしょう。

なので測定器のゲージには奥行きの異なるようにマークが付いていて、傾斜角度によってかわる位置関係の違いを計測する事で、正面から傾斜角度を測定しています。

つまり「目の位置」と「傾斜角度」をいっぺんに計測しているわけです。

そしてソフトウェアを操作するすることで、あとは撮影距離などの差を内部で計算されフィッティングパラメータを正確に表示します。

大変簡単に正確に測定できるのでいいのですが、これも万能ではないのです。

専用機器の欠点

まず、撮影位置にリラックスした姿勢で留まる必要があります。

大人なら全く問題ないのですが、小さなお子様の場合、それは大変難しいものです。

撮影距離が定められているので特殊な状況をシミュレーションした測定が難しい事があります。

例えば車の運転席でどのような姿勢をとるのか?などで、通常との違いが大きい場合「運転姿勢をとったまま」での測定が難しい場合があります。

そして、フレームのタイプによってはゲージが正確にフレームに取り付けできない事があります。

上下に挟み込む形状ですので、フレームの上下がデザインによって大きく異なる場合。フレームのレンズ面とは違う角度でゲージが取り付けられてしまうからです。

その状態で測定されたデータには当然そのズレが発生してしまいます。

機器を使わず手動で測定する

そういった機器をを使わずに、定規や分度器を使って測定する方法もあります。

実際のところ何万本も眼鏡を作っていますと「頂点間距離」が「12mm」よりも遠いのか?近いのか?は横から見れば大体わかるようにはなります。

反り角度については、顔に掛かっている状態を想定して多少フレームを開き気味に抑えれば、別に顔にかかっていなくても測定はできます。

そして傾斜角度も水平器のついた分度器を使えば測定できるわけです。

ところがこの方法には大きな欠点があります。

それは先ほど述べたように、同時に測定できなければならない「瞳の位置」と「傾斜角度」を同時に測れないという事です。

そして、経験が必要なので、だれでも安定した測定ができないという事です。それにいくら経験があったとしても正確に1°刻みの測定は大変難しいでしょう。

じゃあプラオプはどうしてるのか?

一眼レフカメラとイラストレーターというソフト。そして、計算式によってゲージは使わずに「傾斜角度」と「瞳の位置」さらに「反り角」まで同時に測定してしまいます。

手持ちのカメラなので、動き回るお子さんにも対応します。

また撮影は基本どんな場所でもできるので、特殊な用途があっても柔軟に対応できます。極端な事を言えば車に乗っている状態でも測定できます。

そして人は「瞳の真ん中」に視線は通っていない事が多く、大体の方が瞳孔の中心よりも少し内側に視線が通っています。

この方法では「瞳孔の中心」ではなく本当の視線の位置に最も近い「角膜反射」を撮影しますので、より正確なフィッティングポイントを測定できます。

もう2000字なので今日はここまで。

次回は実際にプラオプがやっているフィッティングパラメータの測定をご覧いただこうと思います。

つづく!!

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