レイアウトとは⑧ー測定:後半ー

こんばんは!プラオプ ハセガワです。

眼鏡の性能を最大限発揮させるために重要な「レイアウト作業」について。

前回はその「測定法」について解説しました。

レイアウトとは⑦ー測定:前編ー

今回はプラオプが実際に毎回メインで行っている内緒の方法をご紹介します。

一眼レフカメラとマクロリングライト

まず機材ですが一眼レフカメラと「マクロリングライト」です。

これは本来、小さな「モノ」を撮影するときに使う物です。

フィッティングが終わったフレームを掛けていただき、リラックスした姿勢で真っ直ぐこのリングの真ん中を見ていただき、撮影します。

すると、こんな写真が撮れます。

瞳の真ん中に小さな光の点と、レンズの表面にリングが写っています。

これを元に「傾斜角度」「反り角度」そして「瞳の位置」を測定します。

傾斜角度と反り角度を求める

フレームに取り付けられている飾りのレンズ「ダミーレンズ」の表面は球面に湾曲しています。ですからこれは大きな球の一部分と言えます。

この球の大きさをまず知る必要があるのですが、それはレンズの湾曲具合から求める事ができます。この湾曲具合は「カーブ計」を使って測定できます。

多くの「ダミーレンズ」は「4カーブ」あるいは「3カーブ」が多く使われているのですがこの「カーブ」とは「屈折率1.523のガラスが1m先に焦点を結ぶ湾曲」を「1」として定めた湾曲の度合いの事です。

このカーブ値と球の大きさの関係は以下の式で求められ、1カーブの湾曲を持つ球の半径は523mmになります。

球の半径=焦点距離×(屈折率-1)

1×(1.523-1)=0.523m

4カーブであれば4倍強い湾曲を表しますので半径1/4に小さくなるので・・・

4カーブ=半径130.75mm

となります。

球に光を当てると、その反射は必ず球のど真ん中を貫いた線上にあり、最もこちらに近いポイントに映ります。

という事はレンズ面に反射したリングライトはダミーレンズの球のど真ん中に写っているわけです。

すると以下のような関係が現れます。

ということは、ダミーレンズに写ったリングライトの反射がフレームのどこに写っているか?そして、フレームの寸法を測定すればダミーレンズのカーブ値を元に傾斜角度が求められるのです。

傾斜角度は逆三角関数を用いれば・・・

となります。

これを横方向に置き換えれば、反り角度も同じ理屈で求める事ができます。

では、撮影した写真から寸法はどのように求めたらいいのか?

ここでAdobeのIllustratorを使います。

パソコンに取り込むとこんな感じ

Illustrator:イラストレーターは印刷などの現場でよく使われるプロのソフトウェアです。

ここに引いた線の長さは実際の値です。フレームの大きさを定規で測ってその大きさの四角形を画面に引き、それに合わせて撮影した写真を引き伸ばせば実寸大になります。

ここまで準備ができたらフレームの中心からリングライトの反射の中心を結ぶ四角形を書きます。

その大きさの値は1/1000mm単位で表示されます。この四角形の高さを先ほどの数式の「y」の値として利用できます。

また、四角形の横幅は同じ理屈で反り角度を計算するのに利用できます。

そしてこのままフィッティングポイントも測定ができます。

フィッティングポイントを求める

先ほどの写真で瞳の真ん中に映る小さな光の点は、角膜に写ったリングライトです。

この点はカメラのレンズを見ているとしたら、視線の中心に近似したポイントです。

つまりこれをフィッティングポイントとして生かせるというわけです。

こんなふうに

この四角形の高さがフィッティングポイントとして生かせます。

ついでにPD(瞳孔間距離)も測れます。

ですがこの値はカメラを見ているので寄り目をしていますから若干狭く測定されます。しかし、撮影距離を固定すれば計算によって遠くを真っ直ぐ見ている時の値である「PD」を求める事ができます。

またレンズに映るライトの反射の左右差を利用すれば顔が真っ直ぐ向いているのか?また真っ直ぐから何度斜めに見ているか?もわかります。

これを利用してPDの左右差を直すこともできます。

撮影距離はカメラのオートフォーカスを切り、例えば1mに焦点を固定し撮影者が近づいて最もピントが合う位置で撮影することで1mでの撮影が可能になります。

利点と欠点

利点はフレームに何も取り付けずに測定ができることです。

そして、どんな姿勢でも、あらゆる場所でも撮影ができるので、動き回るお子様にも使えます。

欠点は「レンズが付いていないと測れない」事。

フレームが小さすぎるとリングライトの反射が映らない事。

などです。

どんな方法にも利点、欠点があるので、一つの方法ではなく色々な方法を扱えるようにいることで、それを補い合う事ができます。


プラオプで眼鏡をお作りになられた方でしたら、フィッティングの後にライト付きのカメラで写真を撮っているのをご存知だとおもいます。

実はこれは、その後の「レイアウトの測定」の為のものなのです。

次回はこのレイアウトのデータをどう生かすのか?です。

つづく!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です