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レイアウトとは⑨ー最終回ー

こんばんは!プラオプ  ハセガワです。

早いもので11月です。あと二月もしたら新しい年ですよ・・・

10月を通して書いた連載「レイアウトとは」もこれが最終回です。

前回はプラオプ がどのようにして「レイアウト」を求めているか?を書きました。

レイアウトとは⑧ー測定:後半ー

この最終回は、測定結果をどのように活かすか?についてです。

インディビジュアルレンズとは?

今の眼鏡レンズには製法が大きく分けて2つあります。

一つはキャストモールド製法と言われる「型」に液体プラスチックを流し込み、熱で固めて作る方法で、型の組み合わせを様々に変えることで色々な度数を作ります。

同じ規格のものを大量生産するには適しているのですが、一つ一つを完全なオーダーメイドで作るには適していないでしょう。

もう一つはフリーフォーム切削製法という、大きなプラスチックの塊から削り出して作る方法です。今や一枚のレンズを形作るのに10分くらいで行けちゃうそうです。(その後にはコーティングなどの工程があるので、大体5日位でレンズがお店に届きます。)

一人一人に最適なレンズ設計を計算し、それを完璧に再現できるという凄い技術です。

これができるようになったおかげで、測定したフィッティングパラメーター(傾斜角度、反り角度、頂点間距離、はたまたレンズの湾曲具合など)をメーカーに送り、それに基づいた最適な設計を行って、個別にレンズを作るという事が可能になりました。

このようなレンズを我々は「インディビジュアル・レンズ」と呼んでいます。

つまり、今まで説明きてきた「レイアウト作業」から得られた情報を元にレンズを作るという、レンズの方が使う人に歩み寄るようなイメージです。

インディビジュアル・レンズじゃない場合

「インディビジュアル・レンズ」は高性能です。それはレンズ上でハッキリ見える範囲の広さの違いで感じる事ができます。

しかし当然それは高価です。

ではそうでないレンズは見え方が劣るのか?と言えばそうとも言い切れないのです。

「インデュビジュアル」でないレンズはメーカーが「このような条件でレンズが掛かるようにしてね」というようにパラメーターが決められています。つまり、これを完璧に守ればそのレンズの性能が最大に生きるというわけです。

例えば「傾斜角度:7.5度」「反り角度:5.5度」「頂点間距離:12mm」にしてね!というレンズがあったとします。

これに対してインディビジュアルレンズで「傾斜角度:7.5度」「反り角度:5.5度」「頂点間距離:12mm」を指定したら、設計は全く一緒・・・というレンズもあるほどです。

では、私たち眼鏡士に何が求められているのか?といえば、決まったパラメーターに合わせてメガネを作るという事。

基本的に高価な「インディビジュアルレンズ」が毎回選ばれるわけではありません。

そんな時にはレイアウト作業で求めた「フィッティングパラメーター」を逆に利用することで、理想的な条件に合わせる事が可能となるのです。

パラメーターを逆に利用する

一見複雑に見える計算も、表計算ソフトにでも入れておけば簡単です。プラオプ ではEXCELでこんなものを作って利用しております。

求めたパラメーターが「傾斜角度:2°」「反り角度:1°」「頂点間距離:10mm」だったとします。

だったら、足りない分を調整してしまえばいい。

事前に完璧にフィッティングができた!と思ったとしても、わずかなパラメーターのズレは生じてしまいます。そのズレは「レイアウト作業」によって明らかになるのですから、その分をお客様が帰られたあとで微調整しておけばいいわけです。

傾斜があと5°足りないんだったら、レンズを組み付ける段階で5°増やせばいい。反り角度も頂点間距離も同じです。

そのようにすれば、メガネが完成した時に顔にかけたら理想的なパラメーターになるようにする事ができるわけです。

そのためには「レイアウト」をデータとして残しておきたいので、測定器やカメラを使うのは非常に便利です。

さらには、メガネを不意に曲げてしまったりしたときでも、どのように直したらいいのか?を知る手がかりにもなります。


眼鏡は基本的には不自然なものです。

だからこそ、それが違和感なくかけられるために様々な工夫がなされているわけです。

快適な眼鏡は度数が合っているだけでは実現しません。

それが目に対して正しく作用するレンズとそのレンズが最高の性能を発揮するような加工、フィッティング、そして正しいレイアウトがなければ実現しません。

逆に問題があった場合、基本的に眼鏡がきちんと加工され正しくかかっていなければ、どこに問題があるのか?が分からなくなってしまいます。

9回にわたって書いた「レイアウトとは?」

別にプラオプ がやっている特別な技術ではありません。メガネを作るにあたって行う当たり前の作業です。

おしまい!!

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