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超強度乱視と眼鏡

こんばんは!プラオプ ハセガワです。

「円錐角膜」というのは、目の表面のレンズ「角膜」の一部分が極端に膨らむように変形してしまう疾患です。

強い近視と大変強い乱視、しかもその乱視が「不正乱視」といって眼鏡で矯正できる「正乱視」とは違う複雑な乱視が現れるのが特徴で、メガネで良好な視力を得るのはほぼ不可能です。

乱視とは

普通はハードコンタクトレンズ を使う事で目の表面の形を覆い隠し(隙間は涙が入ります)ハードコンタクトレンズ の綺麗な表面が、角膜の表面の変わりをすることで、割とシッカリと視力が出たりしますので、ハードコンタクトレンズの使用が基本です。

コンタクトと同じは難しいとしても、コンタクトを外した時にテレビや新聞などが見えるようにしたい・・・。

オートレフラクトメーター(穴を覗いて奥に見える気球を見ながら度数を測る機械)では測定不能なので、手探りで度数を出していくわけですが、なんとか「これなら使えそう」という度数が見つかりました。それが・・・。

右:(近視度数:-10.50 乱視度数:-4.00 乱視角度:105度)
左:(近視度数:-11.00 乱視度数:-8.00 乱視角度:141度)

問題は左の乱視度数-8.00ですが、基本的にレンズメーカーがレンズが制作できる度数範囲を超えています。

ただ、特別オーダーをかければ作れるレンズはあるのですが、対応しているメーカーは限られるし、制作できるレンズも限られる。しかも出来たとしてもレンズはかなり小さくなって対応できるフレームにも制限が出ます。

結論から言うと使ったレンズは「ZEISS」のガラスレンズでした。が、驚きなのはこれが、なんと「製作範囲内」つまり、特別オーダーではなくて「普通に作れる」度数範囲だったのです。(どこまでいけるか?を検証したら乱視度数-9.00まで行けそうでした・・・)

で、これが納品されてきたレンズです。

レンズに楕円形が刻まれています。乱視のレンズの表面は楕円形になるのですが、これだけ乱視が強いとよくわかりますね。

加工中に真ん中から割れてしまうリスクがあるので、慎重に、慎重に加工して・・・
出来上がりがこちら。

フレームが小さい事から、意外に軽い・・・ボリュームのあるアセテートフレーム単体よりも遥かに軽く、作ったこちらも大変驚いております。

先日お渡ししまして「新聞の文字もテレビの文字も見える!」と喜んで頂けたようでした。

よかった・・・

今回の事例は、当店はであれば円錐角膜の眼鏡が作れるという内容ではありません。度数も手探りで、ハードコンタクトをつけた時と同じような見え方を得られたわけではありません。はっきり言ってしまえば「半分以下」で偶然に近い事例です。

あくまで非常に特殊な度数であっても制作できる場合があるけれども、多種多様なメーカー、レンズを扱っていないと対応できないよ!という内容です。


I様、事例紹介を承諾してくださりありがとうございました!メンテナンスなどいつでもお待ちしております!

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