【事例紹介】特殊なメガネを正確に作るために

こんにちは! プラオプ ハセガワです。

今日は先日お渡ししたI様のお持込「ESS CROSSBOW」の度付きアタッチメントにレンズを組み込んだ事例です。

「ESS CROSSBOW」は軍用クオリティと強度をもったサングラス(というより保護具?)です。

サバイバル・ゲームをされる方にはなじみが深いかもしれませんね。

メガネを必要とする方向けに、シールドの裏側にもう一つフレームをくっつけてそこに度付きレンズを入れられる仕組みになっているのですが、I様いわく「疲れる」「見えにくい」とのことです。

どうやら、普通の非球面レンズをただ組み込んであるだけのようです。

じつはこのような場合、メガネと同じ度数をそのまま入れても同じ効果を出すことはできません。

なぜならば、レンズが大きく斜めにセットされるからです。

このメガネの場合、片方で約22度の角度がついていました。

視線とレンズが斜めに交差するような場合、普通の「非球面レンズ」は全く合いません。なぜならば、普通のメガネ用レンズ特に非球面レンズは真っ直ぐ見たときの視線と直角にセットされることが前提で作られているからです。

「歪みが少ないですよ」とか「視界が広いですよ」といわれる非球面レンズが斜めになると安価な「球面レンズ」よりも歪みが酷く、視界もとても狭くなってしまうのです。

しかも、度数まで変化してしまい、さらには視線も外側に曲がってしまう効果が出てとても掛けにくいメガネになってしまうのです。

そこで、この特殊な状態にあわせ、レンズの度数変化を計算して補正し、視線ズレを打ち消すように視線を曲げる「プリズム」という度数を組み込みます。

こうすることで、22度傾いてセットされても、正確な視界を作る事ができるのです。

それを全て考慮したレンズがこちら、今回はニコンのビューフィットというレンズを使いました。セットすべき位置にメーカーが印を付けてきてくれます。

斜めにして初めて正確な度数が現れております。今回は視線ズレ矯正のプリズム度数も組み込んでいるのですが、それもシッカリと反映されております。

そして、元々の形もフレームと微妙にズレがあったので、ストレスなくフィットするように新しく型も起こしました。

そして、このレンズを正確に瞳の位置にセットできなければなりませんので、かけた状態の写真を撮り、パソコンで位置関係を作図します。

普通のメガネではあまりない上下の中心よりも下にレンズの中心を合わせて加工する必要があります。

そして、斜めになっている分だけ左右の瞳と瞳の位置がレンズを削る機械にセットするデータと異なるため、そこも三角関数を使い計算しなければなりません。

そして出来上がったのがコチラ

見た目は変わっておりませんが、お渡しして見て頂いたときにその差は歴然だったようで、「これがこんなに見えるようになるとは思わなかった」「奥行き間が分かる」「視界が広い」とおっしゃっていただけました!

もちろん、どんなに正確な補正を施しても、視力補正に理想的な普通のメガネとは異なる見え方にはなります。でも、それになれて使えるようになる為には、なるべく誤差を少なくする事が必要です。

ずっとお蔵入りだったCROSSBOWが現役復帰しました!

このほかにもサングラスを度付きにする場合、単に色の付いたレンズを組み込むだけでは期待通りの見え方にはなりません。通常のメガネとは形状が異なる場合があり、その差を考慮しなければならないのです。

今回はインナーフレームのレンズ交換でしたが、シールド部分をダイレクトに度付きにする方法(ただし、度数の製作制限があります)もプラオプではできますので、是非お気軽にご相談くださいませ。

I様ありがとうございました!

 

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