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カメラのお話し②

こんばんは! プラオプ  ハセガワです。

新作の到着が待ちどうしい今日このごろです。

まだかなぁ・・・。

さて、ほっぽりぱなしだったカメラの話しの続きを。

前回:カメラの話①

先回、同じ明るさの写真を撮ろうと思ったら「絞りは開いてシャッター速度を早くする」「絞りは閉めてシャッター速度を遅くする」・・・

同じになるんじゃないのか?

で終わったわけですが、それについて。

絞りによる写真の違い

基本的にはカメラの「絞り」と「シャッター速度」を調節して狙った明るさになるように写真をとるのですが、カメラの撮影モードに「絞り優先モード」というのがあります。

これは「絞り」を自分で好きなように調節しても、明るさが一定になるようにシャッター速度をカメラが自動的に決めてくれるというモードです。

なので、ある環境で全く動かずに写真を撮った時どんな絞りにしても、同じ明るさの写真が撮れるのです。

じゃあ別に絞りなんてなんでもいいじゃん・・・。

とはならないのですね。

REALのフラッグシップ RF186 TAG’V’ (もうすぐTAG’IV’がでますよ!)を絞りを目一杯開けて撮影しました。データで言うとF2.8(絞り値)シャター速度1/60秒です。ちょうど鼻当の部分あたりにピントを合わせております。右のつるがボケボケですが、見せたいところが強調されているように見えると思います。

今度は絞りを少し絞ってF6.3(絞り値)シャッター速度1/15秒です。

さっきはメガネだけが浮かび上がっているような感じでフレームの画像という感じでしたが今度は奥に何があるのかがわかるようになって、一気に「写真とりました!」みたいになりました。

これではカッコいい製品紹介にはならないかも・・・

今度はF13.0 シャッター速度1/4秒

メガネがあるのはわかりますが、何を見せたいかがかなり曖昧になりました。カレンダーの数字が見えますね。ペイペイで決済もできそうです。

そしてこれは目一杯絞ってF22.0 シャッター速度は実に0.8秒。

1/4秒が0.25秒ですからやく3倍長くシャッターが開いていることになります。

なんか写真がブレてますよね。

そうなんです。あんまりシャッターが長く開いているとカメラを手で持っているときのわずかな動きが、写真のブレになって写ってしまう。それが手ブレというわけです。

手ブレ補正って聞いたことあるかもしれません。スマホのカメラにも搭載されていたりすますからね。

カメラ自体の動きをカメラが感知して、それを打ち消すようにカメラが補正する機能なのですが、実は一つ前の写真の1/4というシャッター速度でも手ブレが起きていないって凄い事なんです・・・今までの写真は全部手ぶれ補正ONで撮影しているのですが、さすがにここまでシャッター速度が遅いと、それでは補いきれないというわけです。

これだけブレてしまったらチョットこの写真は使えないですね・・・

1枚目の写真を少し調節するとこうなります。

おお、なんかカッコいいかも・・・

そんなふうに「背景をぼかして主題を浮き立たせる」とか「景色全体をしっかり見せる」とかそんな「表現」が絞りによって変わってくるのです。

どうして絞りで写真が変わるのか?

「焦点深度」とか「被写界深度」と言われるものが変わるからなのです。

前回の番外編:目は世界を逆さまに見ている

で、「微小な点から出た光、一つ一つのピントが合って全体が見える」みたいな事を書いたのですが、ようするにこういう事。

一つ一つの光がピントが合っていないから全体がぼやけて見える・・・

焦点が合うとは一つ一つの光が「点」になる事と考えれば、点に近ければ近いほど全体的にはっきりと「見える」わけで、それはなにもピントが合っていなくてもいいわけです。

???

自分で書いていても訳がわからないぞ?

フィルムに極小の点にするためにはどうするか?当然レンズでバッチリピントが合えばいいのですが、もう一個・・・

それは絞りを小さくする事・・

ピントが合っていなくてもフィルムには「点」に近くなる、つまりボケが小さくなるというわけです。

絞りが絞られていると、(F値が大きくなると)ピントの合う範囲というか奥行きが広くなり、絞りが開いていると(f値が小さくなると)ピントの合う範囲が狭くシビアになるというわけです。

この写真は加工したものですが、イメージとしては・・・

こういうのと

こういうの。

でも普通に風景を撮ったら、絞りをいじってもこんなふうにはなりませんけどね。

でも、近くにあるものは絞りの影響を大きく受けた写真になるのです。

人の目も同じでして、近い所にあるものはピントが合っている部分以外はぼやけて見えていて、遠くの景色は(メガネなどをかけてハッキリ見えている状態で)全体にピントが合っているように見える。

なので上の写真のように一部分しかピントがあっていな風景写真をみると、まるで近くにある物を覗き込んだように見える。フィギアやジオラマを見ているような感覚になるのです。

そんなわけで、絞りをいじると写真の奥行きの表現が変化するのです。

次回はシャッター速度による表現の違いについて・・・

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